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20日朝，審議会の開催月と名簿を訂正）
放送メディアには，「放送番組の適正を図るため」として番組審議会の設置が義務づけられている（註1）．しかし委員の選任は放送事業者に任せられているため，独立性の保証はない．実際，審議内容も，視聴者の意見を反映するようなものではない．
首相官邸前を数万の人々が埋め尽くした空前の反原発デモを，NHKは長期間にわたって全く報道しなかった（註2）．多くの人がNHKに不満の電話をしたはずだ．このことを上の審議会はどう扱ったか，
9月7月の中央放送番組審議会の議事概要を見てみよう(註3)．
応援のクリック歓迎 （委員） 原子力発電所の稼働に反対する集会やデモが行われているが、これに対するNHKの報道の姿勢を知りたい。
（NHK） さまざまな，場所で行われているデモをすべて取材することは難しいが、今回は原発の事故後、初めて原発を再稼働するということで大きな節目だと考えた。原発の再稼働に反対する人も多くいるので、その点についても伝える必要があると考え、首相官邸前でのデモを「ニュース」で取り上げた。今後も、デモについては毎回伝えるということではなく、筋目のときに伝えていく。
原子力発電については、安全性や事故が起こったメカニズムの問題について報道した。エネルギー問題について全般的に考える番組として、7月14日（土）にNHKスペシャル「激論！ニッポンのエネルギー」を放送する。将来の原発の割合をどのぐらいにするのかについて、政府からはいくつかの案が出ており、8月中には方針を決めるということなので、このタイミングでさまざまな立場の方に出演していただいて、エネルギー問題について考える討論番組に取り組んでいきたい。
・・・（中略）・・・
（委員） 首相官邸前のデモについての報道のしかたは、テレビ局や新聞社など、各社ともに悩んでいるのではないか。今回のデモは自主的に始まり、多くの人々が自主的に続き、量だけではなく、質的にも新しいものが起きている。NHKはなぜこのニュースを報じないのかということが話題になっており、それによって人々の関心を呼んでいるような状況も起きている。報道とはその瞬間をつかまえる感性だと思うので、NHKは数や節目などだけで計画的に動くことがないようにしてほしい。
このように，直接にこの報道のありかた，つまり報道しないことへの批判はなく，なぜこのニュースを報じないのかということが「話題になっている」というような，「他人事」の立場である．委員の顔ぶれを見ても，一般の視聴者を代表しているとはとても言えないような「お偉い」方々の名前がほとんどだ．
放送法が義務づける公平性などかなぐり捨てた， プロパガンダ丸見えの井上あさひ・大越健介の「ニューズウオッチ9」に代表されるNHKのニュース．これを何とかしなければ，今度の選挙にしても「民意の反映」など望むべくもない．以前から当ブログが主張する「メディアへのデモ」と並んで，この「番審」批判 — 審議内容だけでなく委員の選び方への批判も — が重要だと思う．
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(註1)
放送法から
第六条 放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関（以下「審議機関」という。）を置くものとする。
第七条２項 放送事業者の審議機関の委員は、学識経験を有する者のうちから、当該放送事業者が委嘱する。
(註2)当ブログ記事「昨日の官邸前の４万５千人，朝日・毎日は一行もなし」を参照．
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2012-06-23(註3) この議事要旨にある出席委員は次のとおり．
委員長 福井 俊彦（前日本銀行総裁）
副委員長 岸本 葉子（エッセイスト）
委 員 青柳 正規（国立西洋美術館館長）
大軒 由敬（朝日新聞社常勤顧問（論説担当））
小田 尚（読売新聞東京本社専務取締役論説委員長）
倉重 篤郎（毎日新聞社論説委員長）
駒崎 弘樹（NPO法人フローレンス代表理事） 紫 舟（書家）
田中ウルヴェ京（（株）MJコンテス代表取締役、メンタルトレーナー） 平 朝彦（独立行政法人海洋研究開発機構理事長
龍井 葉二（連合総合生活開発研究所副所長
富士 重夫（全国農業協同組合中央会専務理事）
細谷 亮太（聖路加国際病院副院長、小児総合医療センター長）
若月 寿子（主婦連合会事務局）
和田 章（社団法人日本建築学会会長）また，議事要旨は次にある．
http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/bansin/index.htmlそれにしても，文章にコピープロテクトをかけるとは何事だろう．そのため画像ファイルにしてOCRソフトで読み取る手間がかかった．
NHKによる番組審議会の説明
http://www.nhk.or.jp/faq-corner/02housoubangumi/01/02-01-07.htm