2014年8月追記:福岡の市民測定室Qベクから本格的なエアサンプラーが製品化・販売されています.
11/25注記:一連の記事でろ紙としてQR-100,吸気装置としてパソコンのファンを例示しましたが,このろ紙の圧力損失は流速5cm/sで0.45kPaと大きく,またパソコンのファンはわずか数mmAqの静圧しか出ないので,流量が稼げないことが分かりました.吸気には「ブロワー」と分類されるより強力なものを使う必要があります.(このコメントは一連の記事に共通)

末尾に今回の試作品の情報を追加しました.17日13時さらに追記
(注)空間線量のことではありません.
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がれき焼却でもし放射性セシウムが環境に洩れるとすれば,周辺で大気中の微粒子を集め,放射能を測ることが重要です.大容量の微粒子捕集装置をハイボリューム・エア・サンプラーと言いますが,本物の製品は何十万円もします.しかし精度を要求しない(誤差数10%)のであれば,自作は十分可能と思われます.

以前,福島市の大気中セシウム濃度を測ったことを報告しましたが,その時は自動車のエアフィルタを使いました.しかしこれは目が粗いので,上の目的ではより細かいメッシュのフィルタを使うべきでしょう.

1,000 L/minの市販品を見ると,QR-100というシリカ濾紙(8インチ×10インチ)を使っています.これは0.3ミクロン程度の粒子まで捕捉するようです.これと小型ファンとを,目張りした段ボール箱の両側に取り付けるだけでいいでしょう.この高性能の濾紙は1枚あたり千円程度です.



例えば24時間ほど吸引して,フィルターを市民放射能測定所で測ってもらうのです.

市販品のハイボリューム・エア・サンプラーの例と濾紙の情報は次をご覧下さい.
http://www.sibata.co.jp/pickup/pickup_hv700r_hv1000r.html
http://www.tipsun.com/www.advantec.co.jp/japanese/hinran/tanpin/26_827.html

自動車のフィルターを使ったものも紹介しておきましょう.