今月15日頃,久留米市内のスーパーで福島県産の桃が売られていたので,やはりどうしても測りたくなりました.結果は,少ないながらもやはり放射性セシウムが検出されました.

セシウム137: 3.5±1.3 Bq/kg
セシウム134: 2.3±0.8 Bq/kg
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セシウム合計:5.8±1.5 Bq/kg

昨年9月の24Bq/kgからは大幅に減ってはいますが,出ることは出ています.普通の測定では「検出限界以下」とか「不検出」と言われるところでしょう.なお,誤差は計数にともなう統計誤差のみで,これに検出効率の誤差10%程度が加わります.

今日の「しんぶん赤旗」には,「福島県 初の米袋検査」という記事があります.「すべて検出下限値(1キロ当たり11ベクレル)未満でした」として,生産者の「安全・安心が証明された」という言葉を紹介しています.

しかしこの検出下限値を見ても明かなように粗い測定であり,また基準値(100Bq/kg)というのもあくまで「がまん値」であって「安全値」ではないのです.ちなみに,ウクライナは品目ごとにこまかく基準値を決めていて,日本の米に相当する主食のパンは20Bq/kgと,わが国の5分の1です.「安全」というのは自然放射能のレベルになって始めて言えることでしょう.赤旗の楽観報道はいただけません.
上の表は次から転載しました:豊島耕一「食品の放射能汚染から健康を守る」,タウン情報saga+people,2012年6月号.
今日までに1,400件以上のアクセスを頂きました.お礼の意味も込めて,生データを公開します.
ガンマ線スペクトル:http://ad9.org/blog/nuclear/peach2012aug.pdf
生データ:http://ad9.org/blog/nuclear/peach2012aug.xls
また,技術的な詳細は昨年9月の記事からのリンクをご覧下さい.