アフガニスタンやパキスタンではアメリカの無人機(UAV,Unmanned Air Vehicle)による卑劣な殺人行為が繰り返されている.「戦場」からはるか彼方,ネバダ州,インディアン・スプリングスの基地で,ディスプレイとキーボードを前に殺人は行われる.コンピュータ端末の並ぶ普通のオフィスのような風景だ.「勤務」が終わると,「兵士」は車で自宅に帰り,子どもの宿題の面倒を見る.
「グローバル・ネットワーク」のサイトが,この様子を報道するビデオにリンクをつけて紹介している.
http://www.space4peace.org/
Taking out the Taliban; Home for Dinner

直接は次のサイト(または上の画像をクリック)
http://www.inthesetimes.com/community/video/5075/remote-controlled_war/

ビデオには"Remote-Controlled War" というタイトルが付けられているが,果たして「戦争」と言えるのか? 戦争では殺人が合法化されるが,無条件ではない.これは「戦闘行為」などと言えるものではなく,一方的な殺戮である.裁判なしの処刑である.

この無人機との通信回線はおそらく衛星を使っているのだろう.つまり,宇宙技術が直接に殺人に使われているのだ.

国務長官のヒラリー・クリントンは,10月にパキスタンでのテレビ番組でこの件で質問攻めにあったようだ.「マスコミに載らない海外記事」から引用する.
あるパキスタン人女性は、クリントンに、無人機攻撃は“裁判なしの処刑”にあたると言った。別の人物は、アメリカの無人機攻撃と、クリントンがパキスタンに到着した日のペシャワールの市場での爆発と、どこが違うのですかと尋ね、テロを定義するよう、クリントンに食ってかかった。「無人機攻撃で人々を殺害するのは[テロ]ですか?」と彼女は尋ねた。
クリントンはこれにまともに答えられなかったようだ.

こともあろうに,この行為を命令している最高司令官にノーベル平和賞が贈られたのはつい先日のことだ.

テレビ番組で咎められるだけでなく,犯罪として告発・立件されるべきではないのか? このビデオも含め,証拠はいくらでも揃えられるだろう.法律家の意見を聴きたい.

ネバダ州のこの「兵士」がキーボードをたたいて殺した「タリバン」にも家族はいるだろう.子供もいるかも知れない.その子の宿題の面倒はだれが見るのか?