東京に来た機会を利用して,話題の映画,警察の犯罪を扱った「ポチの告白」を見た.残念なことに九州では大分しか上映の予定がないため,現在全国で唯一となっている渋谷のアップリンクに足を運んだ.もともと開始時刻に20分も間に合わないにもかかわらず,である.ところがさらに飛行機が20分以上も遅れたため,上映開始から40分も過ぎた頃からの鑑賞となった.それでも3時間15分もの長編なので,十分に楽しめた.
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警察の犯罪と言えば裏金問題が有名だが,とてもとてもそれどころではないという実態が暴かれる.実に怖い映画だ.警察だけでなく,記者クラブに飼い馴らされた「ジャーナリスト」の腰抜けぶりもこの映画のテーマである.

映画の中では小さなエピソードだが,警察署長が,警官の犯罪を担当する裁判官を防犯カメラの映像をネタに恐喝するシーンがある.確かに防犯カメラや,全国の道路に張り巡らされているNシステムによる情報の管理がいったいどうなっているのか,全く不透明だ.おそらく警察の恣意的な利用を禁止するような,市民のプライバシーが保護されるようなシステムは出来ていなくて,この映画のように警察が悪用することが十分にあり得るのだろう.

社会的に重い問題を扱ったものだが,十分に娯楽性も備えている.途中にトイレ休憩が入るほどの長編だが,最後まで映画の中に吸い込まれる.欲を言えば,もう少しユーモアや「面白さ」があれば良かったと思う.それに,最後の数分の独白は,いかにも取って付けたようでいただけない.

警察の犯罪を扱った映画では「LAコンフィデンシャル」が思い出されるが,この映画は負けていないと思う.特にジャーナリストやジャーナリストを志す人は必見の映画だと思う.もちろん警察官を志す人も.

東京渋谷のアップリンク・ファクトリーで明日31日まで.