10日の投稿のコメント欄にちょっと書きましたが,ブロガー同盟が目指すのと同じ様な政治的内容の構想が,千葉大学の小林正弥氏によって提唱されています.岩波の「世界」11月号,124ページからの論文です.
「小選挙区下,いかに第三極を形成するか 『オリーブの木』方式の平和連合を提唱する」
小林氏にメールで問い合わせたところ,12月号の発売とともにネット転載が解禁だそうで,間もなく「地球平和公共ネットワーク」のウェブサイトに載るそうです.[06年1月4日追記:次に転載しました]
 http://ad9.org/pegasus/peace/jolivetree.html(2010.11.1 リンク修正)

 地球平和公共ネットワーク
 http://global-peace-public-network.hp.infoseek.co.jp/

 それまで待てないので,さわりと思われる部分を抜粋で紹介します.なお,たまたま本日(13日)午後,東京都内でこの関係者の会合が開かれるとのことです.転載禁止のため詳しくは紹介できませんが,上記HPから得られる連絡先などに問い合わせれば,入れてもらえるかも知れません.

127ページ,社民と共産について,

社民は二議席の微増,共産は現状維持で,合わせて十六議席である.それぞれの政党は安堵しているかもしれないが,以上のような全体状況*を打開するためには全く頼りにならない結果である.

  * 例えば「政権交代すら果たされずに民主政治が衰退する危険性」

もっとも重要なのは,革新右派の二政党**に対する第三極として,保守的左派*+とは異なる,新しい中道ないし中道左派的な政治勢力を形成することだろう.


  ** 自民,民主を指す.  *+ 社民,共産

128ページ上段

たとえ第三極を目指した新党が作られても,社民党や共産党と分裂して選挙を行うことになると,それぞれが競合して新党ができる前よりも悪い結果が生じかねない.  そこで,筆者は,小選挙区の下でも第三極の形成を可能にするために,イタリアにおける中道左派連合の「オリーブの木」方式を参考にすることを提案したい.


128ページ下段

この方式の利点は,実際には参加する政党は別々に存続していても,特に選挙区での選挙で統一候補を立てることにより,小選挙区下ではほとんど議席が獲得できない政党も,相当の議席を獲得できることである.

129ページ上段

これは,政策協定により作られる選挙連合だから,勿論,その下の各政党は政党独自の理念や政策を保持することができる.
政策協定としては,憲法の活性化や小選挙区制度の縮小・廃止を軸にした中道左派的なものが考えられよう.

他の例として次のようなものを挙げられています.教基法擁護,イラクからの撤退などアメリカからの外向的自立,アジア諸国との信頼回復,社会保障改革,格差是正・弱者救済,抜本的行財政改革.

130ページ上段

戦前に統一戦線の試みが失敗してファシズムの勝利を許したように,このような「平和への結集」に失敗すれば,平和憲法は命運を断たれるであろう.平和憲法の存続よりも,個々の政党の利害を重視するならば,それは左派政党の「平和政党エゴイズム」としか言いようがない.


[この部分13日午前10時追記:テサロニケは社共合同を主張しているが,上の構想のように既成政党のアイデンティティーを尊重するやりかたの方がはるかに現実性が高いと思う.]

なお,TBセンター構想をめぐってやりとりがあったようですが,ブロガー同盟と本格的な政治運動体とは分けて考えるべきではないかと思います.