日曜日の2月20日,九州電力が主催する「プルサーマルについての公開討論会」に「専門家」として参加した.
 http://www.kyuden.co.jp/nuclear_pluthermal_discussion

 つい先日,私は反対派市民グループの集会で話をしたが,九電の方によると,そのフライヤーに私の名前を見て,今回の依頼しようと思ったとのことである.出席の専門家は4人だが,その間でも推進派寄り,反対派寄りでバランスを取ろうとしたようだ.
 討論の主役は九電が公募で選んだ地元の市民6人である(そのうち2人が反対派).この人たちがパネラーとして意見を交わし,「専門家」は,その討論が深まり噛み合うように補助をするという役回りだと聞かされた.つまりあくまでも脇役である.
 この志は大いに素晴らしいと思ったが,実際にはどうしても,「素人」の疑問に「専門家」がご高説を垂れる,という場面になりがちであった(とは言え専門家が控え目だったことは間違いない).このようなやりとりももちろん必要なのだが,本来の「志」を十分に実現するには,パネラーと専門家,それに司会者の間での,なにがしかの打ち合わせが必要だったと思われる.しかし当日はほぼぶっつけ本番であった.
 議論はそれなりにプルサーマルをめぐるいろんな問題に光を当てることになったと思う.私も3度ほど発言の機会があった.司会者は各パネラーに平等に発言の機会を与え,それぞれの発言と発言者に対してよく敬意を払っていた.ただ,そのコメントが推進派寄りで,やや公正さを欠くこともあった.というのは,反対派の発言の後,彼女は何度かそれへの反論気味のコメントを付けたのだが,推進派の発言に対してはそのようなコメントはほとんどなかったからだ.
 司会者が,今日の討論は出発点に過ぎない,これからもっと議論を深めなければならない,というまとめ方をしたが,これはとても素晴らしい「結論」だったと思う.

 議論の内容も含め,私の発言と,当日提示したスライドを,後日ここに掲示するつもりです.しばらくして再訪してみて下さい.当日お世話いただいた九電の方々に感謝.