国大協会長の山極寿一氏(京都大学学長)が「法人化は失敗だった」と発言しています.(右の画像をクリック 私的アーカイブへ)
さて,それではこの問題が起きた2000年代初頭,彼はどのような発言,態度を取ったのか知りたいものです.当時この問題での氏の発言を聞いた記憶はありません.もし沈黙していたのであれば,他人事ではなく「自己批判」も必要でしょう.(追記:国大協会長としての発言なので,彼個人というより,この政策に協力してきた国大協としての反省が必要です.)
なお,上記読売の記事にある「日本は初等中等を含め、世界に対して誇れる教育をしてきた」という発言は一面的過ぎます.多くの人が指摘する否定的面も多々あります.「どの側面では」などの限定をしないと「日本すごーい」と一緒です.

国立大学の「法人化」問題で,「週刊金曜日」2002年4月19日号に発表し,「ペガサス・ホームページ」に転載した拙文を,この際当ブログにも転載します.(関連ページ:国立大学「独立」行政法人化問題資料集国立大学独法化阻止全国ネットワーク
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政府が実施を急ぐ独立法人化

大学の“独立”は逆に失われる恐れ

  英訳
          豊島耕一

政府は二〇〇四年度にも,大学を国の行政組織から独立させる「独立行政法人化」を実施しようとしている。
目論見通りにいくと、「独立」の言葉とは裏腹に、文部科学省の規制力が強まり、大学の廃校か存続の権限さえも大臣が握ることになる。憲法や教育基本法が保障する「学問の自由」「大学の自治」に真っ向から挑戦する制度改悪だが、反対の動きは極めて鈍い。
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(冒頭の、削除された読売記事:
http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/40-2.php