続きです.原告準備書面(2),次いで被告準備書面(2)と続きます.
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紙の現物イメージ:原告準備書面(2)被告準備書面(2)

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原告準備書面(2)
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平成29年(ネ)第345号 退職手当請求控訴事件
控訴人  豊島耕一 外1名
被控訴人  国立大学法人佐賀大学

準 備 書 面 (2)

2017年(平成29年)9月8日
福岡高等裁判所第4民事部ト係 御中

控訴人ら訴訟代理人弁護士 東島浩幸
    同        桑原 健
    同        梶原恒夫
    同        八木大和

第1 はじめに
 本件訴訟においては、被控訴人が、退職手当規程を一方的に不利益に変更したことについて、「高度の必要性」あったかどうかが主要な争点になっている。そもそも、就業規則の不利益変更は、原則として労働者の合意がなければならい(労働契約法9条本文)。もっとも、その例外として、労働条件変更の必要性、変更後の規則の労働者への周知、就業規則変更後の不利益の程度、労使の交渉の経緯等、厳格な要件を満たす場合にのみ、合意なき変更がみとめられているにすぎない(同法9条ただし書き、同10条)。就業規則の一方的な不利益変更がこのような厳格な要件の下でのみ許容されるとする過去の最高裁判例及び労働契約法の法体系に鑑みれば、同法10条に定める要件を満たすことの主張と立証は、被控訴人において行われなければならない。

そして、本訴訟で争点とされている改正後通則法50条の10第3項の解釈及び考慮要素の検討については、本件退職手当規程の不利益変更について労働契約法10条の要件、すなわち「高度の必要性」を満たすか否かに関わるものであるから、被控訴人において合理的な主張と立証が求められている。