-------引用(一部修正)-------
まず1日あたりの吸気量は10才の子どもで15.3m^3.約15 m^3とする.
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/i14_j3.pdf気化した放射性ヨウ素やセシウムは気体の状態でも飛ぶが,(主に)ホコリ等(エアロゾル)にくっついて振る舞う.
数ミクロン以上の微粒子が鼻腔や気管支で捕集・排泄されるとのことである.
(ダストサンプルも粒径0.1μm以上の「ダスト」をフィルターで越し取る)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/RM1.pdf)大気中のダスト測定は(特に事故直後において)あまりデータが取られておらず明確なことは言えないが原発近隣地域では1000Bq/m^3程度は何日か続いた恐れがある.
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo4-2.pdf (追記:2011年8月24日の原子力安全委員会でヨウ素とセシウムの総放出量はそれぞれ10%程度下方修正された.Te-132の評価モデルを用いた為で放射線の総量という意味では多少議論が複雑化するがオーダー的には変わらないと仮定.)
10日間程度(内部被ばく的には20日程度)粘膜が晒されると「狭く薄い範囲」とはいえ1シーベルトオーダー(引用者による訂正:0.1シーベルトオーダー)の被ばくをした恐れがある.これくらいになると僅かな刺激で鼻血や血痰が出る事はそれほど珍しいことではない.
(次は元ブログの図をそのまま引用)
つまり,1,000Bq/m^3の空気を15 m^3/日の割合で10日間呼吸し,その10%が鼻腔粘膜に沈着したとすると,10日後の蓄積量は
1,000 [Bq/m^3] × 15 [m^3/日] × 10[日間] × 0.1 = 1.5×10^4 [Bq].
これが同じく10日間かかって排泄されたとすると,鼻腔粘膜での総崩壊数は
平均1/2×1.5×10^4 [Bq]×3,600秒×24時間×(10日×2)= 1.3×10^10.
これにより粘膜が受け取るエネルギーは,ヨウ素131からのベータ線の平均エネルギーを0.192MeVとして(元のブログでは誤って0.6MeVとしている)
E = 1.3×10^10 × 0.192×10^6 ×1.6×10^-19 = 0.398×10^-3 [J].
鼻腔粘膜の質量を,元ブログに従って2[g]=2×10^-3 [kg] とし,RBEを1とすると,
被ばく量は
(0.398×10^-3)÷(2×10^-3)= 0.199[Sv] = 199[mSv]
-------引用終わり-------
核データの間違いがそのまま反映して,元ブログの見積もりの約3分の1になるが,やはり,「そのような症状が起きる線量より桁違いに少ない」ということは否定され,むしろ近いレベルの線量と言わなければならない.
なお,事故直後の原発近隣の大気中放射能濃度は,文科省のサイトで新しいデータも公表されている.
http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/list/222/list-1.htmlそれによると,双葉郡広野町下北迫で3月21日に5,600[Bq/m^3]という高い値も記録されている.
なお,この元ブログの筆者は転移性肺癌と闘病しておられるとのことなので,その後どうされているか気になる.
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(追記,5/19朝)この考察ではヨウ素131のみ考慮され,セシウムやテルルは計算に入っていない.またヨウ素131の半減期も無視している.しかし大まかな見積もりには,これらの要素は無視しても大差ない.