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「主権侵害での自衛隊『活用』」は解釈改憲 [憲法・教育基本法]

sensouhouhaisito9jo-6r.gif2019年12月末尾に追記
このブログの開設目的に関わる問題なので,再度取り上げます.右は年末31日の「しんぶん赤旗」の連載記事の最終回です(クリックで拡大).ここで自衛隊『活用』が繰り返し正当化されています.タイトルはまさに「自衛隊『活用』と立憲主義」.新しい材料は何もありません.

12月20日のブログ記事で批判しましたし,共産党にも同じ内容のメールを送りましたが,何の変化もないようです.各県の大会でどの程度議論されたか,大変気になります.ネット上でもあまり議論がないようです.

この赤旗の記事はネット上には出されていないようなので,文字化したものを以下に掲載します.

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護憲派による解釈改憲/もう一つの「パブリックコメント」を [憲法・教育基本法]

東大教授・井上達夫氏による「憲法の涙」というタイトルの本がある.今年3月に出版されている.タイトルの由来は,改憲派からも護憲派からも憲法が無視されているということから来ている.改憲派による憲法無視は今さら言うまでもないが,護憲派からの無視とは,「集団的自衛権」は違憲として反対するが,自衛隊は事実上認めており,これも解釈改憲である,というものだ.

九条に関する井上氏の結論は,ひとことで言えば九条をまるごと削除せよということだ.軍備に関する問題は政府の政策レベルの問題で,憲法に書くべきではないというのだ.つまり彼は正真正銘の改憲論者である.憲法と現実とを一致させることを最重要と考え,戦争と平和の問題よりも優先しているかに見える.九条の裏には中国はじめ東アジアの人々の,そして日本の民衆の多くの失われた命があるということは,氏にとっては大したことではないようだ.日米安保に関しては,アメリカの侵略性をイラク戦争などの例を挙げて十分認めているにもかかわらず,東アジアにおいては完全に防衛的であるという前提で議論している.

この本は上のようにいろいろと矛盾を含み,また憲法から非戦のタガを外す危険な改憲論に他ならない.しかし冒頭で紹介した「護憲派の解釈改憲」論は,護憲派の一部への批判としては全く的中している.

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天皇のリタイア問題 [憲法・教育基本法]

天皇のリタイア問題について,政府は「特別法」で対応するようですが,これは明らかに違法(違憲)でしょう.憲法第2条には「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあり,明確に皇室典範と指定しているのですから,これの改正以外にはありません.応援のクリック歓迎

もっとも,私自身の意見は,このさい天皇制を有名無実化して(つまり改憲なしに空位),いずれは無形文化財にするのがいいとは思います.現天皇の人柄や考えとは関わりなく,この制度がナショナリズムに利用される危険は依然として大きいからです.

今回の天皇のビデオメッセージについて,いろいろ議論がされています.中にはこのメッセージ放映自体が違憲だと言う見方さえあります(末尾に該当箇所を引用).
http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/e/75871eb095a395dcfd617c6ceffeefb7

たしかに憲法4条には,「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」とあります.「・・のみを行ひ」とは言っても,日常生活ではほかにいろいろの「行為」をするわけです.その「日常行為」には「意見表明」というのはないのでしょうか?天皇も人間なので基本的人権はあるはずです.その中には「意見表明権」も含まれるでしょうし,選挙では投票権もないとおかしいでしょう.「ビデオ・メッセージ」自体を違憲とする考えはこの基本権を否定するものではないでしょうか.もちろん,NHKテレビを使うという方法については議論の余地はあります.

「国政に関する権能」とは,意見表明権とはレベルの違う,直接的に国家権力に関与する権限のことと理解すべきでしょう.それ以外の拡大解釈を許すメンタリティーは,教員や一般公務員に対する「政治的行為」を禁止するとして,“政治的”発言まで押さえ込む考えと軌を一にするものではないでしょうか.

「メッセージ」の実質的な中味である,年を取ったのでリタイアしたいという要求は当然のことで,このような意見表明さえ許されないと考えるのは,人権無視というより非人道的とさえ言えるかも知れません.
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ブログ「アリの一言」から引用:
「ビデオ・メッセージ」は、天皇明仁が憲法の「象徴天皇」の意味を自分で勝手に解釈し、憲法にない「公的行為」なるものを勝手に拡大し、さらに憲法・皇室典範にない(したがって法改正に直結するきわめて政治的問題である)「生前退位」についての自分の意向を、「ビデオ・メッセージ」というこれまた天皇に認められていない手段(宮内庁はこれも「公的行為」と釈明)で一方的に国民に流したものです。その実態は何重にもわたる違憲行為です。
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2017年5月追記:究極的には改憲して天皇条項をなくすべきですが,それまでのつなぎの議論です.今の状況での改憲発議はどんな名目であれ極めて危険だからです.
当ブログの天皇関連記事

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野党共闘成立は大いに歓迎だが・・・ [憲法・教育基本法]

「野党は共闘」の学生・市民のコールに応えて,2月19日に野党五党の党首が「戦争法廃止」と参院選での選挙協力に合意した.歓迎すべきニュースだ.具体化が進むかどうかがカギだが,気がかりな要素もある.

この合意の1日前の18日に民主・維新が提出した「PKO協力法改正案」では,いわゆる「駆けつけ警護」が容認されている(本記事の末尾 参照).これでは,「戦争法廃止」の名目に反して事実上の「修正」という態度ではないのか.将来野党間で問題が起きることにならないか.「小異」で片付けられる問題なのか.(関連記事:民主党の対案病

もう1点.たしかに参院選は決定的に重要だが,その前に,戦争法の正当化にとどまらず改憲世論の醸成までやられてしまう危険がある.尖閣周辺などで日中間の衝突が起き,あるいは意図的に起こされ,「愛国主義キャンペーン」にメディアが完全に乗っ取られてしまう事態である.DPRK(いわゆる北朝鮮)の「ミサイル発射」キャンペーンは,反戦争法の世論に相当ダメージを与えたと思われるが,実際の軍事衝突となればその比ではないだろう.京都精華大学の白井聡氏は次のように述べている(週プレNEWS,2015年11月5日).
 もう現実に戦争やってるじゃん、という状況をつくれば、それこそ平和憲法と自衛隊との矛盾どころじゃなくなるわけです。憲法改正の手続きは、現状追認の行為にすぎなくなります。戦争に出なくちゃいけない確率を高めるには、日本が集団的自衛権を行使できるようにすることが一番の近道でしょう。
 だからよく、改憲から戦争へと進むからマズいといわれているけれども、僕は逆だと思うんですね。まず戦争をする。そこから改憲へというのが、彼らが思い描いている改憲へのルートなのではないか。そう考えると、あの解釈改憲をやられた時から戦争をやることはほぼ確定していて、問題は、いつ誰と、どんな戦争をやるのかという段階に入っていると僕は見ています。
つまり,選挙だけでなく,常にあらゆる面で安倍内閣に打撃を与える具体的な運動を強める必要がある.辺野古基地建設反対運動をもっと全国化すること,脱原発運動,TPPなどなど,いくらでも課題はある.そして,どの課題でもメディアによる巨大な世論バイアス*を克服する強力なほとんど唯一の方法は非暴力直接行動(NVDA)だろう.

また,上記のような軍事衝突のシナリオの危険性を事前に大いに流布し,免疫を広めておくことも少しは歯止めの効果があるかも知れない.

nichiyouban1600207.gif選挙の問題について言えば,安保や憲法問題だけでは絶対にダメだ.経済・福祉政策を具体的かつ定量的に,つまり財源と使途の金額を打ち出すべきだ.共産党は「暮らし最優先で日本経済再生をはかる四つの提案」として,消費税10%増税中止など項目だけを掲げているが,あくまで項目だけである.例えばBLOG BLUES提案の「平成ニューディール計画」のような魅力的なキャッチコピーとともに,収入と支出のプランを急いで打ち出すべきだ.「財源がない」などはウソに決まっている.どれだけ高価な戦争用品をアメリカから買わされているかを考えれば明らかろう.「もんじゅ」や六ヶ所事業所に,さらにリニア新幹線という有害無益なしろものにどれだけの無駄金を使っているか,使おうとしているかを考えれば明らかだろう.庶民の生活をどれほど豊かにできるか,必ず提示できるはずだ.

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* 例えば,国家予算の議論で軍事費の問題に言及したキャスターやコメンテーターが一人でもいたかどうかを考えれば明らかだ.

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民主党が国会に提出したPKO協力法改正案について

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社会評論に短文を発表 [憲法・教育基本法]

1401577.gif旧号になったので出版社の許可を得て転載します.誌面イメージテキスト

DSC_8049.jpg社会評論(スペース伽耶発行)というマイナーな季刊誌に短文を寄稿しました.巻頭エッセイの一つで,「戦争法,どうすれば阻止できたのか」というタイトルです.戦争法についてブログに何回か書いた分を2,000字余りにまとめたものです.読んでいただければ有り難いです.でも所蔵する図書館は非常に稀です.
1月1日付けの「私と憲法」(注)に,高田健氏の講演録があり,その中で「法案を止められなかった運動の弱点いくつか」という節があり,敗北の理由を書いています.そこに,反省点として彼が最大の問題と思うのは,「与党に分岐を作り出せなかった」ことだとしています.「勝てる契機を作るとしたら,ここに分岐をつくりだすこと以外ありませんでした」ともあり,結局は彼が参院の票決だけしか重視していなかったことが分かります.それ以外のことも考えるべきだった,最終盤ではそれが特に重要だったというのが,私の文章の主旨です.
shahyo183index.jpg
(注)「許すな!憲法改悪・市民連絡会」発行

天皇にこの法律を公布しないよう求めては?(その2) [憲法・教育基本法]

1401577.gif9/27追記:9月30日公布らしいので,まだぎりぎり間に合うかも.
https://twitter.com/hatatomoko/status/648144917739401217
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9月20日の「天皇にこの法律を公布しないよう求めては?」の記事の,25日の追記に書いたことを,少し詳しく書きます.
元の記事の趣旨は,もし天皇が公布すれば,重大な違憲立法に関与することで憲法99条に違反するから,やめるように,ということ.しかし,天皇が公布を拒否すれば,そのような行為に対して内閣は「助言」も「承認」もするはずがないので,憲法3条に違反するだろう,したがってどちらの違反がより重大か二者択一の問題になる,とも書きました.
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ここから「追記」部分です.でも憲法3条をよく見ると,「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし」とあり,「行為しないこと」には触れていません.ですから署名を拒否しても3条違反にはならないという考え方もあり得ます.

ところがこのような事実上の拒否権を認めてしまうと,こんどは憲法3条の「天皇は・・国政に関する権能を有しない」という条文と実質的に衝突しそうです.

何れにせよ議論の余地のあるところでしょう.署名拒否の前例などないと思うので(ドイツでは大統領が法律への署名を拒否したという例はあるらしい),判例ももちろんないでしょう.

多分天皇は署名はイヤだと思っているでしょうから,多くの人が同様の請願をすることで,天皇の背中を押した方がいいのかも知れません.その際,最後に「もしすでにこの法律に署名されているのであれば、是非ともそれを撤回して下さい」と付け加えるのを忘れないように.すでに署名しているかも知れないので.
費用は速達・簡易書留では672円です.
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11/3追記:この私の行動をもって「天皇主義者」と言われる方がありますが,「天皇主義者」の定義は何でしょうか?
https://twitter.com/kibikibi20/status/661178508949884928

未だに6名勾留,しかも6ヶ所に分散留置 [憲法・教育基本法]

なによりも,仲間を取り返すことが緊急課題です.詳細は次を.
https://henokorelay.wordpress.com/2015/09/21/protest_statement/
kouryuu.jpg
救援カンパが呼びかけられています.ゆうちょ端末で通帳を使うと手数料0円です.ATM端末は連休中も稼働しているようです.
ゆうちょ銀行から振り込む場合
口座名 ハンストジッコウイインカイ
記 号 10090
番 号 96595451
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「1000人委員会」にも「総がかり」にも(左コラム),逮捕された人たちのことが書かれていないのは大変疑問です.

「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い(至急) [憲法・教育基本法]

東京大学名誉教授,醍醐聰氏の呼びかけをそのまま転載します.オリジナルはこちらです.
http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html#_ga=1.237846784.1644457145.1433082371
応援のクリック歓迎
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市民の皆様へ                        2015年9月20日
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い(至急)

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天皇にこの法律を公布しないよう求めては? [憲法・教育基本法]

1401577.gif9/25末尾に重大発見(?)を追記.詳しくは「その2」をご覧下さい.
1401577.gif9/22追記:実際にやってみます.末尾に請願書.
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安保法制(戦争法)を廃止,無効にするには,いろんな方法を考えなければなりませんが,その一つのアイデアです.応援のクリック歓迎
天皇にこの法律を公布しないよう要請することです(法的には請願).

もし天皇が公布すれば,重大な違憲立法に関与することで,憲法99条に違反します.
もし天皇が公布を拒否すれば,そのような行為に対して内閣は「助言」も「承認」もするはずがないから,憲法3条に違反します.

どちらの違反がより重大か,二者択一の問題になります.私は前者の方がより重大な違反だと思います.違憲であることは今や国民の常識になっているのです.
日本国憲法
第3条   天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要と し、内閣が、その責任を負ふ。
第99条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、 この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
べつに「大政奉還」を主張するわけではありません.念のため.
1401577.gif追記:「天皇は国事行為について内閣に質問はできる」ようなので(wiki),委員会採決で公聴会報告はされたか?手続きに瑕疵はなかったか?と質問してもらいたいですね.

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勝利するための最低条件は? [憲法・教育基本法]

多くの人々のかつてない努力にも関わらず,戦争法案が国会を通過してしまった.

問題は今回の運動の総括の仕方だ.最も恐ろしいのは,かつてない規模で,また多様な新しい形の運動が行われたことだけを取り上げて,まるで勝利したかのような言説で終わってしまうことだ.これでは敗走を「転進」と呼んだ旧軍部と同じだ.

プラスの面を正当に評価し,自らのエンパワーメントにつなげるのは当然だが,なぜ負けたのか,どうしたら勝て「た」のかを(あるいはもともと勝つ見込みはなかったのかを),深く,多面的に分析しなければならない.これには想像力が必要で,また骨の折れる作業だ.応援のクリック歓迎

最近では,教育基本法改悪に始まって秘密法まで,民主運動の敗北が重なっている(どちらもアベの「業績」).これらの敗北のあと,上のような本格的な総括が(主要な運動団体で,または影響力のある個人で)行われたとは思えない.はっきり言えば「かつてなく闘いが盛り上がった」式の粉飾決算しかなかったのではないか.これこそが民衆が敗北を続ける最大の原因ではないか.

追記:そもそも「総括」という言葉自体が死語になっているようだ.「過去のことを言っても仕方がない」式に,過去の運動から将来のための教訓やアイデアをまとめる作業をしない習慣.運動の途中では見えなかったことが広く見渡せるようになり,また記憶も鮮明な時点で,そのような作業をしておくことは死活的に重要なはずだ.「振り返り」と言い換えればいいのか,「レビュー」とカタカナにすればいいのか.

1401577.gif追記2(9/20):「運動で阻止することははじめから無理だった,運動の重点は法案の問題点を広く知ってもらうこと」と思っていた人も多いのではないか.ある野党系の地方議員に「総括が重要ですね」と話しかけたら,「今回は総括と言っても・・・結局は議席数の問題だから・・・次の選挙が重要」という反応に驚いてしまった.もしそのような立場なら,「絶対に止める」というスローガンは単なるお題目だったということになる(もっとも,この議員だけでなく多くの運動の参加者がそれを内心承知だったというフシがある).単純に考えればそのとおりだ.しかしこれは社会運動のダイナミズムを,物理の言葉で言えば「非線形性」を理解しないものだ.例えば,最も考えやすい阻止のシナリオは,審議を引き延ばして会期末に持ち込む(再可決を狙う衆院も同様)ということだろう.ほかには,私が前から提唱している,そして横浜で実践されたNVDA(非暴力直接行動)による阻止作戦もある.
政治プロセスについて議席数だけを偏重した態度と言わざるを得ず,「選挙がすべて」というとこまで行ってしまう恐れがある.
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