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「週刊金曜日」8月6日号の連合の神津会長と中島岳志対談記事について [メディア・出版・アート]

(9/14追記:末尾に連合会長についての佐高信氏の発言)
本日(9月8日)、立憲野党間の共通政策の合意というニュースがありました。
https://twitter.com/nhk_news/status/1435335570754977792
関連して、ひと月ほど前の「週刊金曜日」8/6号(210813号)に連合の神津会長と編集委員で政治学者の中島岳志氏の対談記事についてコメントします。神津氏は間もなく連合会長は退任のようですが、裏で野党共闘の足を引っ張るのでは、との懸念があります。

1340.jpgこの記事のリードは「『4年前の傷』を乗り越え立憲・国民がまとまることで、共産党との関係が明確化する なぜ野党はひとつにまとまれないのか。根底には、4年前に『希望の党』によって生じた“分断の傷”がある。この問題を振り返ることで、共産党を含めた野党共闘のための展望を見出す」となっています。

同誌が連合会長を引っ張り出したのは面白いかも知れませんが、内容は色々問題ありです。労働組合という団体の原則と党派性との区別を意識しない神津会長の発言に対して、中島氏は全く疑問を呈することもなく、当然のことのようにやり過ごしています。例えば・・・

「われわれ連合としても、立憲民主党と国民民主党とで共有する政権構想を早く打ち出すべきだと思っています。」(p.20 2段 中程)

 -- 神津氏個人ではなく、明確に団体の意思として発言しています。連合は政治団体なのでしょうか? 組合員はこの両党の支持者なのでしょうか? 明らかに組合と政治団体との混同があります。

「共産党との関係というのは・・・・政権を一緒にできる側の存在ではない」(p.21 3段 中程)

 -- これまた、文脈から団体の意思の表明と取れます。政党を「判定」する権限を、会長は組合員から付与されているのでしょうか?

日本思想史も専門とする「政治」学者としての見識が問われるのではないでしょうか。
(Facebook同報)
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追記:上記と関連しますが、この対談記事には、連合傘下の組合員はあたかも会長や連合の意思通りの投票行動をする「大票田」でもあるかのような暗黙の前提があるように思われます。あたかも一人一人の独立した判断はしないかのような・・・。このような前近代的なmindsetこそ問題にすべきです。
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追記2(9/14):社民党の月刊誌『社会民主』9月号に「佐高信の筆刀両断日記」があります。その中で、佐高氏は『日刊ゲンダイ』の、連合会長への批判の文章を引用しています。その部分を二重引用。
〈『サンデー毎日』の6月27日号で小沢一郎が地元の岩手の県議会選挙のことを語っている。
「達増拓也知事は選挙では共産も含め、与党の県議を全員応援した。自民党はカッカしていたが、与党県議は皆喜んだ。この岩手に学ぶべきこともあるのではないか」
この発言に最も学んでほしいのは連合会長の神津里季生である。野党共闘で立憲が共産と手を結ぶことを彼は邪魔してばかりいる。
大体、政党でもない労働組合のボスがなぜ、口をはさむのか。それに右往左往する枝野幸男もだらしないが、私は神津に、そんな暇があったら、"本業"でしつかり成果を出せ、と言いたい。利益剰余金という名の企業の内部留保は2019年に475兆円を記録し、8年連続過去最大となっている。これは組合、つまり神津が何の闘いもしていないということではないか。また非正規雇用というのも4割に達しているが、それを放置している神津の責任はとてつもなく大きい。
神津や枝野は、2017年に32歳で急逝した若き歌人、萩原慎一郎の悲鳴のような歌に耳を傾けるべきだろう。
○非正規という受け入れがたき現状を受け入れながら生きているのだ
...以下略...〉
オリジナルはこちらにありました。週末オススメ本ミシュラン 「歌集 滑走路」萩原慎一郎著/角川文庫。末尾に「選者・佐高信」とあるので、どうやら佐高信氏本人の文章のようです。
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