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防げなかった「予測できた人災」 [社会]

今日の毎日、菅首相の政権投げ出しのニュースの中に、「新規感染者数と内閣支持率」というグラフがあった。記事の見出しは菅首相退陣 延命策尽き コロナ、迷走重ね(その2)。その中の、感染者数のグラフが、このブログでも紹介した「専門家会議有志」の6月18日の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う新型コロナウイルス感染拡大リスクに関する提言~データ編~」にある予測グラフとそっくりであることに愕然とする。提言は本文の中で「『感染対策を緩めても良い』という矛盾したメッセージになるリスクが発生する」と警告している。それが、新聞の図と「提言」にある図とを並べてみれば明らかなように、予測以上に的中してしまった。(「提言」はオリジナルが画像データのため、NHKが文字化している。)
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私は、この「提言」の図を引用したプラカードで、五輪中止の街頭でのアピールを何度も行い、また自宅のガレージに掲げたりもした。(8/19日の記事「予知できる人災は防げる」参照。) もちろん私だけでなく多くの人が、特に長く五輪問題に取り組んでいる人たちが、東京で繰り返し街頭行動を行った。その甲斐もなく、最悪の大惨事を招いてしまったことになる。

新聞は全国の数字で、「予測」は東京都だけなので、予測のグラフに東京の9月1日の感染者数をプロットしてみる。(縦軸を延長、青の点線は引用者による補助線)
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このように、現実は予測グラフの天井を突き抜けて、最悪ケースのカーブの延長上にあるように見える。

大手メディアは必要な警告を十分に発しただろうか?どう反省しているのだろうか。毎日の記事には、そのような自らを省みる記述はなさそうだ。
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