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「直接行動」の価値に言及する、オバマ元大統領 [社会]

ジョージ・フロイド氏殺害事件をめぐっての、元アメリカ大統領、オバマ氏の次のような発言に注目しました。

「抗議デモや直接的な行動の目的は、社会の意識を高める、不公正を白日の下にさらす、権力者たちを居心地悪くさせる」という意味で重要だ。しかし、そうした運動の「志(こころざし)は最終的には法律や組織の慣例として具現化されなければならない。民主主義でそれができるのは、選挙で選ばれた政治家が私たちの声に応えたときだけである。」(クーリエ・ジャポンを転載したヤフーニュース
記事のこの部分の見出しは「“抗議運動”と“政治参加”の両輪が必要だ」です。
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原文は彼のフェイスブックにありました。(上の写真も)
https://www.facebook.com/barackobama/posts/10157802011441749?__tn__=K-R
該当部分を引用します。
Second, I’ve heard some suggest that the recurrent problem of racial bias in our criminal justice system proves that only protests and direct action can bring about change, and that voting and participation in electoral politics is a waste of time. I couldn’t disagree more. The point of protest is to raise public awareness, to put a spotlight on injustice, and to make the powers that be uncomfortable; in fact, throughout American history, it’s often only been in response to protests and civil disobedience that the political system has even paid attention to marginalized communities.
そしてこの後に、法律など政治制度への組み込みの必要性、そのための投票行動の重要性へと続きます。

日本では、政治意識の高いと思われる人たちでも「直接行動」への理解は深くないように思われます。デモや封鎖などの非暴力の行動をあまり評価せず、何かと言えばすぐに「選挙で変えるしかない」と・・・。しかしデモなどによる世論の喚起なしには、選挙で変えることも難しい、そのメカニズムを理解しようとしない。また、選挙は終わりでもないのです。

このオバマ氏の言葉が日本の運動圏にも影響することを期待したいと思います。
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当ブログの「直接行動」関連記事から:
まず、戦争法国会の時、2015年9月の記事から3つ。
地方公聴会での「横浜ゲート」は市民運動の歴史を作った
戦争法案の強行採決を阻止するには(再掲)
「あらゆる手段」には何が含まれるのか
以下、2019年3月以前、新しい順です。
「日本人はおとなしい」という集団的自己暗示からの離脱を
平和研究集会での発表から
80万人と8千人−「民主主義」の定義の違い
日本の市民運動に欠けているもの
12月8日,沖国大でトライデント・プラウシェアズについて話をします
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