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当ブログには,毎日,何年も前の記事に複数回のアクセスをいただいています.お礼の意味で(?)昨日6月29日のページビュー1,214回の,トップ20位までの記事を表示します.(画像クリックで記事へのリンクのページへ)
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映画「新聞記者」 [メディア・出版・アート]

shinbunkisha.jpg((8/7更新)末尾に福岡,佐賀の上映情報追記)
「新聞記者」,封切り2日目に鑑賞しました.主演の松坂桃李の「最初に脚本を読んだとき,『こんなに攻めた映画を作るのか』と衝撃を受けた」[1]という言葉を読んでいたので,見る前から期待の閾値は上がっていましたが,そのつり上がった期待にも十分応える,今の日本の権力のコアに迫るものでした.
映画サイト同,劇場情報ページ別サイトの劇場情報公式ツイッター

監督は弱冠32歳,「新聞を読まない」世代だそうです.監督の言葉やインタビュー記事から少し引用.
日刊ゲンダイから
監督は32歳。新聞をまったく読まない世代で、政治にも関心がなかった。それで、「民主主義国家で生きている以上、政治とは無縁ではいられない。一人一人の生身の生活と政治は切り離せない。政治から遠ざかれば、民主主義からも遠ざかる」というような話をしたんです。「上から目線ではなく、若者の視点から映画を撮ったら面白いとは思わないか。やってみないか」と。

すると、監督は俄然ヤル気を出して、東京新聞の購読を始めて、モーレツに政治の勉強を始めた。国民が何も知らなければ、権力によって意のままに分断されてしまう。そこに「政治に無関心」の怖さがある。そうしたことが政治による同調圧力に屈してしまう下地になっていることを監督は悟ったんです。うれしかったですね。
週刊金曜日6/28日号の藤井道人監督(32歳)のインタビュー記事から
撮影前、記者や外務省の官僚などさまざまな立場の人に会った。そこで感じたのは「自分があまりにも何も知らなかったことへの恐怖」だという。「自分たちが知ろうとしなかったことや、取捨選択できる時代なのに、僕たちが(その意味を)問わなかった情報がこれほどあったということにぞっとしました。自分がそれまでななめ読みしかしてこなかったニュースや情報の信憑性を考えるようになったんです」
日本の権力のコアとは,警察の情報力を動員して権力と金力でネットとメディアを操り支配するメカニズム,安倍政権によって異常に肥大化した,今日の国家支配の手法の最核心部分.まさにこれを暴いていると思われます.

国家支配に官僚組織や会社組織の上下関係を使うだけでなく,公安を中心とした警察秘密部隊の情報を,権力に都合の悪い人間を排除するのに使う,あるいは,反抗する者への脅しに使うという手法です.過去の典型的な例は,原発問題で政府の言いなりにならなかった福島県の佐藤栄佐久知事への「汚職攻撃」でしょう.(これには共産党の赤旗でさえ「推定無罪」の原則から外れるどころか,謀略に乗った報道だったと思います[2].その総括も今日まで聞いていません.)

今でもこの脅しのメソッドは様々に効いていて,野党の追及がなぜか「寸止め」になっていたり,権力が最も嫌がりそうなところを避けていたりすることの原因になっているのかも知れません.誰しも自分の人生で何十年も遡ってアラ探しをされれば,どんな「ホコリ」も出ないという人はほとんどいないでしょう.それを「週刊誌に暴く」「ネットで拡散させる」と脅されれば,口をつぐむ人がほとんどでしょう.ましてや,ガセネタでさえもある期間は「本当」にできるのです(まさに上の佐藤栄佐久知事のケースのように).

ぜひ多くの人に見て欲しい映画です.難点としては,新聞社のオフィスのシーンでカメラが意味なくぶれること.望遠で撮ったそうですが,意味が分からず,ただ見る人の目を疲れさせるだけです.本では「改定版」がありますが,映画ではそれができない(?)のが残念です.はじめの方でこれさえ我慢できれば,あとは映像的にも秀作です.

[1] 松坂桃李「問題作でも、全裸でも、僕はひるまない」,婦人公論,2019年06月28日
https://fujinkoron.jp/articles/-/533
[2] 主張 福島前知事逮捕 「税金を食い物」の腐敗断て,しんぶん赤旗,2006年10月25日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-25/2006102502_01_0.html
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当ブログのメディア,ジャーナリズム関連記事から:
テレビ報道職についての重要な分析テレビ報道職についての分析—その2テレビ報道職についての分析—その3

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260年前になぜ6万人もの農民が集まれたのか(その2) [社会]

久留米藩の宝暦一揆を描いた帚木蓬生の「天に星 地に花」にはまっている.当ブログのサブタイトル「九州は筑後から九条を効かす」のまさに筑後を舞台とした作品で,出てくる地名もほとんどが日頃行き来する所ばかりだ.エピソードも自分の子供の頃の記憶をよみがえらせる.七夕の揮毫もその一つ.七夕に歌や格言などを大きな短冊に筆で書くのだが,硯に入れる水は里芋の葉に乗った朝露を集める.私にも微かな記憶がある.しかし今では里芋畑を見つけるのは難しい.

さて,表題の,圧政に対する民衆の蹶起が260年前にはこれだけの規模で起こり,現代の日本では起こらないのかについて,前の記事では権力の不可視性とメディアの問題を議論した.もう一つ,当時と今の大きな違いについて,この本を読みながら気づいたことを書いてみたい.
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[この節のタグ#wage]当時は租税が農民自身が育て収穫した米などの農産物だったため,農民にとっては「収奪」であることが自明だった.現代では税金は現物ではなく金銭であるが,その税金の元手である自分が稼いだ賃金が果たして自分の労働の正当かつ正確な評価であるのかどうかが分からない.つまり,資本家に「搾取」されていても,「経営が苦しいから」とか「他社との競争が激しいから」などのレトリックで,その搾取も不可視化される.これに対して江戸時代の農民の場合は,労働の報いに影響するのは気象や天候という自然だけである.

このような資本主義の賃金労働制では,賃金の妥当性を保障するものは,主に資本家と労働者の間の「力のバランス」ということになるだろう.つまり両者の間の「対等な」交渉によって「実験的に」平衡点を探すということだ.いわば,労働力という商品に関して働く「見えざる手」だ.両者が対等であるためには労働側の組織化が,そしてその組織が「御用組合」ではないことが不可欠だ.ところが現在,労働組合の力が極端に弱くなっており,あるいは大半が御用組合だ.それどころか組合に入っていない労働者が大半を占める.

したがって,賃金の妥当性の保障がないだけでなく,労働者側にその(低すぎるかも知れないという)気付きを得る機会さえも失われている.であれば,そこから引き抜かれる税金の妥当性はさらに抽象的な問題になるだろう.したがって,資本家に対する要求も,税金を持っていく政府に対する要求(レベル)も,抽象的な問題になってしまう.

結論としては,このような状況を可視化し,社会の共通アジェンダにしていくためには,当然メディアの役割が重要だ.しかしメディアをそのように向かわせるにも,規模は小さくても非暴力直接行動は重要な手段だ.フランスの「黄色いベスト」アルジェリアの「金曜デモ」,香港の大規模デモも,初めから巨大だったわけではない.
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1401577.gif「天に星 地に花」についての後継記事
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イージス・アショアの本当の目的を新聞が [反核・平和]

aegisashore190618akahata-orbit.jpgイージス・アショアの本当の目的がアメリカ「防衛」にあることを新聞が報じた(右の図.今日のしんぶん赤旗1面から).「防衛」とカッコをつけたのは,「心置きなく攻撃できるように」という意味だからである.

先日のタンカー攻撃をイランの仕業と決めつけてみたり,それより先の一方的な「イラン核合意」からの離脱と,何が何でも戦争をしたいというアメリカの本性が万人に明らかになりつつある.日本への同システム配備が北朝鮮に対するアメリカの戦争準備の一環という疑いも多くの人で共有されるだろう.

PAC-3の時でもそうだが,それ自体が攻撃兵器ではないため,「防衛のため」というレトリックに多くの人が騙される(例えばこの動画へのコメント諸氏の多く).もし「こちら側」に攻撃的兵器が皆無ならばそう考えたとしても無理はないが,核兵器を筆頭とした米軍の,そして自衛隊の攻撃的兵器と一体のものなのである.迎撃ミサイルだけを切り取って「防衛のため」と受け取る人の思考能力を疑う.

なぜ山口と秋田かという問題は,半年以上前にこのブログでも指摘していた.ようやく,政党機関紙とはいえ,多くの人の共有情報となることは前進だ.
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1401577.gif19日追記:住民を「電子レンジ」にかける効果を防衛相が証言.驚き.複雑な,神経系やホルモン系を介した生理現象という意味でもなさそう.
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映画「主戦場」 [メディア・出版・アート]

shusenjo-people.jpg1401577.gif8月4日からアンコール上映
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ミキ・デザキ監督の「主戦場」(The Main Battleground of the Comfort Women Issue)、すごい映画だ。従軍慰安婦(性奴隷)肯定派・否定派をスクリーン上で対等に議論させ、本音を言わせている。政治的な忖度も遠慮もないこんな映画を日本の作家が作れるだろうかと思った。(そう言えば映画「靖国」も外国人の監督作品だった。)最後には安倍晋三氏の「正体」にまで迫っている。

慰安婦問題での天皇(昭和天皇)の責任も追及している。亡くなったら罪も消える、ということはないだろう。逆の、冤罪の人が亡くなったら無罪で名誉回復させる必要はない、とはならないのと同じだ。

日本の若い世代がこの問題を全くと言っていいほど知らない。教科書から「慰安婦」が消されたためだ。教科書検定が一層不透明化され、教科書会社が自己検閲して載せないようにしたからだ。重大問題である。

「沖縄スパイ戦史」と並んで、多くの人に見てもらいたい映画だ。
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リンク:文春オンライン従軍慰安婦をテーマにした話題作『主戦場』で“あんなインタビュー”が撮れた理由
福岡はKBCシネマ1401577.gif8月4日からアンコール上映.
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久留米で永田浩三氏講演会/6月22日14時 [社会]

0622.jpg元NHKディレクターの永田浩三さんが久留米で講演されます。迫ってきたので急遽お知らせします。(画像クリックでPDF)

以下、テキスト部分です。
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さよならあべさん
講演会
2019年6月22日(土) 
受付 13:30 開会 14:00
資料代 300円

右傾化、忖度・・・・
もう勘弁してよ 日本のメディア
暴走を止めるため、何をすべきか

日本のメディアはいつ頃から、何を契機に右傾化に走ったのか。心あるマスコミ人はいま何を考え、どう行動しているのか—。
メディアの変遷と内部でのたたかいについて、元NHKディレクターの永田浩三さんにお話をしていただきます。メディアの暴走を止めるために私たちは何をしたらよいのか、求められるものについて考えていきます。

講演終了後パレード
講演会終了後には、パレードを予定しています。講演で学んだことをチカラに、街頭でアピールしましょう。16時10分にサンライフ駐車場を出発し、東町公園まで。

190620nishinihon.jpg永田浩三/ながたこうぞう
1954年生まれ 社会学者、ジャーナリスト
武蔵大学教授
NHK入局後、主にドキュメンタリ一、教養・情報番組に携わる。政権党有力政治家が2001年にNHK最高幹部に「圧力」をかけることで、慰安婦問題を扱った番組が著しく改変された。事件後、番組担当プロデューサーとして全過程を明らかにした。

主催 戦争法の廃止へ筑後地域でも意思表示を(ちくご意思表示の会)
久留米市東町1-20大和ビル2F 久留米第一法律事務所 TEL 0942-38-8050
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shusenjo.jpgブログ内関連記事:「テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス: 13局男女30人の聞き取り調査から」という本の紹介
1回目2回目3回目
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1401577.gif追記:地域にこのチラシをポスティングしていますが,裏に,講師のテーマと関連性のある,映画「主戦場」のCMを入れています.(右の画像.クリックでPDFへ)
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「年金払えないのに戦闘機買うな」 [メディア・出版・アート]

秀作。ツイッターから。
https://twitter.com/kunipaddler/status/1137699730899685376
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1401577.gifあんまり感心したので、デモなどで「再現」できるよう、カードを正面から見た画像に変換しました。
指を残したバージョンと、消したバージョン(明度・彩度アップ)です。(クリックで拡大)
D8nr369VUAEJo2z-regular.jpg D8nr369VUAEJo2z-regular-c.jpg
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260年前になぜ6万人もの農民が集まれたのか [社会]

DSC_3864w800.jpg1754年の久留米藩、人頭税に反対して6万もの農民が筑後川の河原に集まった*。ところが今日、これも人頭税である消費税の値上げに対して、これに匹敵するほどの人々の抗議の動きは見られない。消費税の値上げだけではない。安倍内閣のデタラメ政治や虚言の項目は数え切れないくらいなのに、抗議が見えないだけでなく、支持率が2桁もあるという。この違いは何なのか。考えてみた。(右は帚木蓬生「天に星、地に花」から)

藩の時代は、権力が見えるところにあり、お城は何とか歩いてでも行ける距離にあった。農民の間でのニュースの共有も、狭い地域社会なので「口コミ」で十分可能だっただろう。しかし我々の住む世界では、権力は遥か遠くにあり、権力者も直接目にすることはできない。テレビの画像の中だけのバーチャルな存在である。ニュースもテレビや新聞というマスメディアによって独占されている。

このように、支配している権力を実感できるかできないか、対する仲間たちの言葉や活動の情報を共有できるかできないかで、大きな違いがある。今日、たとえ大規模な集会で抗議の声を挙げても、メディアに無視されればその存在は消し去られる。

このように考えれば、今日、権力に実際に対抗するとはどういうことかがわかるだろう。抗議の行動はメディアで「必ず」伝えられるようにしなければならない。ひと気の少ない、東京の田舎に等しい臨海広域防災公園で集会するなど(今年の憲法集会)、これとは正反対のやり方だ。(関連記事「東京の憲法集会は数寄屋橋交差点を占拠して行うべきだった」参照)

ネット上では、安倍政権が続くのは「国民が愚かだからだ」と、国民全体を責める言葉がよく見られる。しかしそのような「評価」をしてみたところで何の役にも立たない。運動圏の人々は、あるいは「目覚めた」人々は、どうすれば効果的な活動になるか知恵を働かせるべきで、むしろそれを見つけ出せていない自分たちを責めるべきだろう。

選挙戦も(共闘や候補一本化、そして票読みなど)選挙に集中するだけでは勝てないだろう。何が問題か、政治で何ができるのかを人々に分からせ、そして自分たちには力があるということを実感させなければならない。そのための重要な戦術形態の一つが、このブログで繰り返し主張する非暴力直接行動、NVDAである。
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* 「久留米市史」第2巻(久留米市発行、1982年)
関連記事: https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2019-03-25#revolt
後継記事 260年前になぜ6万人もの農民が集まれたのか(その2)有権者は、260年前の久留米藩の百姓のように「こんままじゃすまん」結果を出して欲しい
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九電の原発からの液体トリチウム放出 [仕事とその周辺]

九電のサイトに、原発からの液体トリチウム放出が昨年度まで更新されていましたので、グラフにしました。「玄海原発からのトリチウム放出再開」の後継記事です。
まずグラフです。白黒印刷用はこちら。2019年度分も追加しています。
tritium-up2018.jpg

次に数表。

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九大ファントム墜落51年集会でのスピーチ [反核・平和]

61479272_2226747044068257_4399175739610497024_n.jpg昨日(6月2日)の九大ファントム墜落51年集会での私のレジュメとスピーチ内容(原稿+アドリブ)です。薄い文字は時間の関係で省略した部分です。

やや左翼系敬老会の様相も示していましたが、150名の参加で盛会でした。今日の毎日が写真入りで報道していました。わずか一人とは言え学生の参加があったことが希望です。それもチラシを見て来たとのこと。
「数学による平和教育」のプリントを手に取った女性の参加者が、「こんなの、珍しいですね」と言ってくれました。(写真は榊山惇さんのフェスブックから拝借)同じくこちらの記事には全体の様子が詳細に書かれています。1401577.gifブログにも(こちらが読みやすい)

1401577.gifなお、メインの浦島さんの講演の後のQ&Aで、「県警を管理する県公安委員会、そして公安委を所轄する知事は何をしているのか」と質問しましたが、その根拠はこちらです。
県警は誰が支配するのか?県警をめぐる支配・被支配と人事権の関係図
それでは、まず
レジュメ
そして
スピーチ原稿です。繰り返しになりますが、薄い文字は時間の関係で省略した部分です。
(冒頭謝辞)
辺野古、高江にはつごう3回行きました。「ゴボウ抜かれ」の経験もあります(例:機動隊員との対話)。人数が多かった時は(ダンプを)止められました。もっとたくさんの人が行くべきだと思います。
さて、北方領土に関して、「戦争で島を取り戻す」という恐るべき発言が国会議員の口から出たことが大きな話題になっています。議員辞職に値するでしょう。しかし、同じことが政府の省庁から、つまり防衛省から出ているのに反応が少ないのは驚くべきことです。例えば、2017年に、佐賀空港オスプレイ配備問題での地権者説明会で防衛省が配布した資料には、占領された島を自衛隊が「奪還」する作戦図絵が公然と記載されています。占領されたのが何十年も前ならダメで、数日、数ヶ月前ならオーケーということでしょうか?しかも自衛隊の場合、「言葉」だけでなく、その練習=演習までやっているのです。

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