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文春5月4日号の若泉敬氏についての記事 [メディア・出版・アート]

病院の待合室,予約時間から50分も待たされている間,週刊誌記事を2本も読めました.「文春」5月4日-11日合併号.一つは「統一教会”解散セズ” 岸田首相裏切り」.決してこれを読んで血圧を測ってはいけません.

bunshun23-5-4p40.jpgその後読み入ったのは,沖縄密約問題をめぐる若泉敬氏とその著書に関するもの.この件はすでに何度もメディアでも話題になっていますが,フォローしているわけでもないので,記事内容にどれほど新しい情報が含まれるのかは判断がつきません.しかし私にとってはかなり引き込まれる5ページにわたる読み物でした.

ただ,最後の次のような締めくくりは,いかにも「時局」に迎合して情けない.初代国家安全保障局長の谷内正太郎氏の話の引用です.
「若泉さんは国民の生命と財産を守るには、性善説では駄目との考えだった。”違法な武力行使をしなければ、日本を攻める国など無いと考えるのは非現実的。最悪の事態を想定し、充分な抑止力を含めた備えをするべき”―そう強く訴えてきました。これは、二〇二三年の日本にも突き付けられている命題とも言えます」

ロシアのウクライナ侵攻、深まる一方の米中対立、台湾有事の可能性も指摘され、日本、わけても沖縄を取り巻く安全保障環境は今、激変している。「政府は防衛費をGDP比二%に増額する指示を出しましたが、重要なのは防衛力をどう構成するか。陸海空だけでなく、宇宙、サイバー、電磁波等の新領域での能力を一層高めていく。そのことで沖縄の人的、地理的な負担を軽減できる可能性もあります。若泉さんが心を寄せた沖縄には今も、在日米軍施設の七割が集中している。ただ、日本国内のどの地でも『在日米軍の駐留は必要だが、我々の地元は困る』という〝総論賛成、各論反対"になっているのが実情です。沖縄の痛みに正面から向き合いながら、新時代の安全保障体制を築く方策を国民全体の議論で探っていかないといけません」
いかにも尤もらしく聞こえますが,「性善説では駄目」との若泉氏の「考え」を代弁したこの言説自体がまさに「性善説」であることに,谷内氏はともかく,この記事の筆者も気づかないのでしょうか?つまり「自国の軍備や軍隊は決して侵略者になることはない」という,まさしく素朴な,それこそ「お花畑」の性善説です.

・・・と,以上まで昨日フェイスブックに書き込んだのですが,しかし後でよく考えて見ると,この記事全体が谷内正太郎氏の視線で書かれていることからも,「情けない」と評した上記の末尾の部分こそがむしろこの記事の狙いであったと理解しました.ウクライナ戦争を利用しての軍拡思想のプロパガンダは「文春」にも行き渡っているようです.
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