SSブログ

コロナ感染(重症?)者の約10%に長期の後遺症−Natureの新しい論文 [メディア・出版・アート]

5/13:関連記事が同じNature、5月11日付に掲載, 5/17:テレ朝の関連ニュース
-------------
コロナの後遺症についての、4月5日付けのNatureの論文が無料公開されている。
https://www.nature.com/articles/s41467-022-29513-z

longCovid220405.jpgCourse of post COVID-19 disease symptoms over time in the ComPaRe long COVID prospective e-cohort
ComPaRe長期COVID前向きe-コホートにおけるCOVID-19後の疾患症状の経時的経過

Viet-Thi Tran, Raphaël Porcher, Isabelle Pane & Philippe Ravaud
Nature Communications volume 13, Article number: 1812 (2022)

要点は、コロナウイルス感染者(重症者?)の約10%がCOVID-19後遺症を経験、しかも、2ヵ月後に症状が出現した患者のうち、85%が、症状出現から1年後も症状があるとのことである。
成人患者968例(人)について53の症状を調べている。

アブストラクトの部分を引用:
Abstract
About 10% of people infected by severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 experience post COVID-19 disease. We analysed data from 968 adult patients (5350 person-months) with a confirmed infection enroled in the ComPaRe long COVID cohort, a disease prevalent prospective e-cohort of such patients in France. Day-by-day prevalence of post COVID-19 symptoms was determined from patients’ responses to the Long COVID Symptom Tool, a validated self-reported questionnaire assessing 53 symptoms. Among patients symptomatic after 2 months, 85% still reported symptoms one year after their symptom onset. Evolution of symptoms showed a decreasing prevalence over time for 27/53 symptoms (e.g., loss of taste/smell); a stable prevalence over time for 18/53 symptoms (e.g., dyspnoea), and an increasing prevalence over time for 8/53 symptoms (e.g., paraesthesia). The disease impact on patients’ lives began increasing 6 months after onset. Our results are of importance to understand the natural history of post COVID-19 disease.
DeepLによる訳をわずかに修正
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型に感染した人の約10%がCOVID-19後遺症を経験する。フランスの疾患流行前向き e コホートである ComPaRe long COVID cohort に登録された感染が確認された成人患者 968 例(5350 人・月)のデータを解析した.COVID-19後の症状の日ごとの有病率は、53の症状を評価する有効な自己報告式の質問票であるLong COVID Symptom Toolへの患者の回答から決定された。2ヵ月後に症状が出現した患者のうち、85%が症状出現から1年後も症状を報告していた。症状の経過は、27/53の症状(例:味覚・嗅覚障害)で時間の経過とともに有病率が減少し、18/53の症状(例:呼吸困難)で時間の経過とともに有病率が安定し、8/53の症状(例:知覚障害)で時間の経過とともに有病率が増加することが示されました。また、患者さんの生活への影響は、発症後6カ月目から増加し始めました。本結果は、COVID-19発症後の自然史を理解する上で重要である。
対象者が、感染が確認された人全体か(冒頭に感染者4億とあり、すぐ後に「その10%」とある)、それとも入院するなど重症の人か(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2と、severeの形容詞がついている)素人には判然としないが、おそらくsevereは単にウイルスの形容詞かと思われるので、感染者の10%かと思われる。

その中の、図3と、そのキャプションの、これまたDeepL訳修正を付ける。
41467_2022_29513_Fig3_HTML.jpg
図3 COVID-19後遺症の有病率の日間推移(A)と患者さんの生活への影響(B)。
A  図は、Long COVID ST(symptom tool)で評価した53の症状について、それぞれの日ごとの有病率を示している(グレーの線)。具体的な症状の例は、ハイライト表示されている(色付きの線)。各症状について、各観測時点では、患者はその症状を「経験している」または「経験していない」のどちらかであると仮定した。また、任意の時点における状態は、前回の観察時点の状態と同じであり、初回観察前と前回観察後の状態は不明であると仮定した。
B  COVID-19後遺症によって影響を受ける可能性があり、Long COVID IT(impact tool)によって評価される患者の6つの生活領域の1日ごとの推移を示した図である。各項目と各観測時点について、患者の回答を、この領域に対する疾患の重大な影響を「報告する」(すなわち、項目スコア>7)またはこの影響を「報告しない」(すなわち、項目スコア<8)のいずれかとしてモデル化した。任意の時間における状態は、前回の観察時点の状態と同じであり、初回観察前と前回観察後の状態は不明であると仮定した。赤い線は、長いCOVID ITのPASS(Patient Acceptable Symptomatic State)についても同様のモデルで、75%の患者が自分の病状を許容できるとするLong COVID ITスコア以下とした。ソースデータはSource Dataファイルとして提供される。
「オミクロンは軽症」なる言説がいまだに猛威を振るっていて、政府は何らの戦術も戦略もなく、国民に「感染対策」と求めるだけの放置状態である。メディアもそれを容認している。


関連記事が同じNature、5月11日付に掲載。
タイトル:コロナウイルスの「ゴースト」が腸内に留まっていることが判明
リード:科学者たちは、Long-COVIDが、最初の感染から数ヵ月後に体内で発見されるウイルス断片と関連しているかどうかを研究している
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01280-3

ただ、「これらの人々の中に活動中のウイルスが存在すること、あるいはウイルス物質がロングCOVIDを引き起こしていることを立証するものではない」とのこと。だから「ゴースト」の言葉が使われているようです。
nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント