SSブログ

アンジー・ゼルターの新刊 Activism for Life の「キャンペーンの技術の共有」 [メディア・出版・アート]

アンジー・ゼルターの新刊 Activism for Life の翻訳出版計画を進めています(関連記事1同2)。その中の「付録」にある「キャンペーンの技術の共有」(Campaigning Skill Share, May 2010)という3ページの仮訳です。

NVDA(非暴力直接行動)を含む市民運動のスキルなどの知識の蓄積がまとめられています。システマティックな捉え方、考え方に感心します。"May 2010"の日付から、直前のオルダーマストン封鎖行動(下の写真.本書74-75ページ)までの経験を踏まえたものと思われます。なお、次の付録1D「警察とのリエゾン・レターの例」は原文がトライデント・プラウシェアズのサイトに公表されています。また、付録1A「非暴力活動」の訳はこちらですでに公開しています。

------------------
IMG_3279w2400tch-r-c.jpg付録1C
キャンペーンの技術の共有(2010年5月)
私たちがキャンペーンを行う場合、状況と問題を分析し、目的と目標を明確に考え、私たちが持っている、または調達が可能なリソースを把握し、実行可能な方針を持つ必要があります。燃え尽きないように自分のペースを守り、キャンペーン活動を創造的で楽しい生き方と一体化していかなければなりません。

私たちの運動の目的は何でしょうか?
目的を明確に – 究極の目標を1つまたは2つの文で分かりやすく。平和な世界
到達目標を明確にする
何を引き起こしたいのか?
それは交渉可能かどうか?
最低限解決したいことは何ですか?
戦略的な目標は達成可能です。例えばNATOの個別の特定の変更はどうか?戦術的な目標は少ない回数の特定の行動で達成される限定的な成果です。短期間であり、その間に資源が利用可能という点で現実的なものです。
例えばピースキャンプや封鎖行動。
現在の状況の分析

あなたの目標実現を助ける要素、阻害する要素は何ですか?
フォース・フィールド分析をやる
フリップチャートに書いた目標に向かって、プラスとマイナスに分け、それぞれの区分に目標達成に好都合であるものとそうでないものを、次のものを含めてリストアップます。
個人
グループと組織
一般人の集団
イデオロギーと信条
社会的慣習と常識
地理的条件
あなた自身のスキルとリソース
上記のうち最も強いものを選び、自分に不利に働く強いものにどう対抗し、自分に有利に働く強いものをどう使うかを考えてみてください。

どのような敵対勢力が目標を阻み、どのような友好勢力がキャンペーンに参加しうるのか?
ソーシャル速度計(Social Speedometer)に、キャンペーンにとって「非常に敵対的/敵対的/非友好的/中立的/友好的/非常に友好的」の分類を作り、その問題に関心を持つ様々な人々やグループを、関連するスペースに書き込みます。敵対する側に、目標達成を阻む力を持つ者は何人いるのか?どうすれば人々を一歩でも友好的な側に近づけられるか。敵対する人々が中立になるだけで十分なのか?

戦略
非暴力の精神の範囲内で(すべての人への心遣いと敬意、苦しみを押し付けるのではなく進んで受け入れる意思、誰もすべての真実を知っているわけではないという認識)

通信連絡:誰に対してどんなメッセージや情報を交換する必要があるのか?通信手段は何か?
説得:あなたが望む変化を起こすために、相手を説得することがらは何でしょうか?彼らは誰の意見に耳を傾け、真剣に受け止めますか?どのような方法で直接または間接的に相手に伝えられますか?
強制:もし相手を説得できない時、どのような圧力、非協力、または行動が態度を変えさせるでしょうか?直接行動を起こす必要があるでしょうか?

あなたの目的は何ですか?
 なぜ?
 どのようにして?
 いつ?

コミュニケーション
 オーガナイザー間(誰がオーガナイザーか?)
 一般市民との間
 態度を変えさせたいと思う人たちと
 メディアと
 行動計画
 情報/ブリーフィングパック
 法律/裁判のサポート
 動員
 トレーニング/準備のためのワークショップ
 資金
 報道機関
 警察とのリエゾン

これまでに一層はっきりしてきた、キャンペーンを成功させるために必要なパターンをいくつか要約してみます。

・社会が直面している問題についての知識と分析(この場合は核兵器)、そして必要な変化を引き起こすためのモチベーションと情熱。
・達成可能な具体的目標を持つ、特定の非暴力キャンペーンのアイデア
・課題とキャンペーンの概要を作成し、これをもとに人々に働きかけ、自発的に組織化グループになってもらえる人を見つける。
・タイムライン、資料、行動計画の策定。
・基本的な費用をまかなえる資金を用意する。主にボランティアと熱意を頼りとすること。
・キャンペーン用リーフレットやウェブサイトの制作、記事の執筆、活動家を動員するための会議での発言など。
・トレーニングのための資料と打ち合わせ用プリントを準備し、おのおのの活動家が最新のアドバイスや学習に知識にアクセスできるように、情報、組織構成、進行状況はできるだけオープンにしてシェアすること。
・直接行動キャンペーンは、あらゆる要素が存在する社会変革のための運動の中で行われるものであり、多くの他の人々の仕事と情報とに依存していること忘れないようにし、他の個人やグループのロビーイング、教育活動、手紙を出すこと、対話と交渉のような活動を大切にします。
・国内外のグループや個人と連携し、ローカルに行動しながらもグローバルに意識し考える。
・より良い公平な世界を実現する気概を保ち、全てのレベルで変革のための活発な参加者であるよう可能な限り多くの創造的な方法で行動する。例えば、本人弁護(弁護士の代理人を立てない)ができること、法廷用語の説明を受けられることを確認するだけでなく、獄中でも争うことができる権利があることを忘れないようにします。被害者であることに屈する必要はなく、思いがけないところに選択肢や扉があることも多い。
(以上)
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント