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ゴーン氏の長期勾留は日本の「人質司法」を壊す大きなチャンスなのに [社会]

190116mainichi-ghosn.jpgすでに1週間前のニュースになるが、日産の元会長ゴーン氏の保釈が認められず、さらに勾留が延長された。昨日からのニュースでは、ゴーン氏がルノーの会長も解任されたと伝えられている。この記事のテーマは、ゴーン氏の容疑のことでも、彼の法外な報酬のことでもない。氏の長期勾留が世界的なニュースになったことで日本の「人質司法」を壊す大きなチャンスが訪れているにも関わらず、法曹界も左翼政党も、これを生かそうという姿勢が全く見られないことに注意を喚起したいためだ。

21日の仏紙「ル・モンド」は、世界一長い日本の長期留置制度が、国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に違反するとした50人の弁護士の抗議声明を紹介している。以下、google翻訳の助けを借りて、ブロガーの貧弱な法律用語ボキャブラリーにも関わらず、訳してみた。
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« Le traitement judiciaire de Carlos Ghosn constitue un manquement au pacte international relatif aux droits civils et politiques »
Par Collectif Publié le 21 janvier 2019 à 09h17 - Mis à jour le 21 janvier 2019 à 09h17
「カルロスゴーンの司法扱いは、市民的及び政治的権利に関する国際規約の違反となる」

「ル・モンド」の論説では、約50人の弁護士が、カルロスゴーンに対する訴訟の進行における日本当局の行為に厳しく抗議している。

論説:この抗議に署名した弁護士は、2018年11月19日の最初の逮捕日から効力を持ったカルロスゴーン氏に対する日本当局による連続した逮捕請求を非難する。また最後の告発が行われた2019年1月11日に再延長されたこと、防御の権利の行使[の無視*]、そしてこの長期間の間に、関係書類にアクセスできない彼の弁護士の同席なしの拘禁の下での連日の尋問が許容されていることを非難する。

署名した弁護士は、そのような司法措置は、1979年6月21日に日本が留保なしに批准した1966年12月16日の市民的及び政治的権利に関する国際規約の規定の明らかな違反であると考えている。

腐敗した刑事訴訟手続

市民的及び政治的権利に関する国際規約の加盟国は、それぞれの領域で逮捕または告発された自国民およびすべての人に対して、法的手続の遂行における良心と尊厳を尊重する冒すことのできない権利を保証することを約束した。

規約の第7条から第10条は、裁判を待っている人の拘禁は原則ではなく、すべての被告は自分に対する罪を否定し、自分自身を効果的に擁護する権利を有すること、また本人の拘禁の合法性または必要性に対する異議申し立てに可及的に対して速やかに決定をられること、合理的な期間内に公の場での裁判を受けられることを規定している。

日本では、警察の拘留期間は72時間であり、これは裁判所の命令で10日間の予防的拘禁により延長される可能性があり、検察官の要請により1回更新可能である。起訴されるまでの最大の拘留期間は、逮捕後の72時間の最初の拘留を含む23日である。

逮捕時に、被疑者は申し立てられた容疑事実について通知を受け、弁護士を付ける権利を知らされなければならない。しかし、本人が起訴されるまで、そしてこの23日の間に、被疑者は弁護士なしで尋問され、弁護士も被疑者同様、起訴ファイルに全くアクセスできない。

この期間内に、検察官は容疑者に新たな容疑で2回目の「逮捕」を通知することができ、今回ように3回目の容疑もまた、弁護士なし起訴ファイルへのアクセスなしで尋問を続けることが許される。日本は世界一長期間の拘留制度を持っている。
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*[の無視]は、原文の脱落と想定して訳者が挿入。
なお、上記「ルモンド」のサイトでは、有料記事ということで最後まで見られないが、Archy news netyというサイトが全文を転載しているようだ。なお、このルモンド報道を記事にしているのは、産経新聞だけのもよう。

190116akahata-ghosn.gif冒頭に挿入した毎日の一面トップに比べ、同日の赤旗は右のような豆記事に過ぎない。

この「人質司法」は単に司法制度の問題というだけではない。この国で「逮捕」を相当期間の「禁固刑」に等しいものとすることで、「市民的抵抗」「非暴力直接行動」への重大な威嚇が行われている。このことの市民運動への影響、政治と社会への影響は決定的なものである。左翼政党が問題にしないのは責任放棄と言えるだろう。
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関連ネット記事:人質司法の原因と対策(ブロゴス、高野隆氏の記事)
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宗純

もちろん、この記事の趣旨には100%諸手を上げて大賛成なのですが、・・・

今の平和で安全な日本との神話が、この記事にあるような警察に無制限の権力を与えて『悪党には人権は無い』との鬼平犯科帳のような恐ろしい裏の顔で守られているのも現実。
今の日本国ですが、民主主義とは別のガラパゴス島なのです。
by 宗純 (2019-01-25 11:05) 

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