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観劇:「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」 [メディア・出版・アート]

img913.jpg永井愛の劇「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」を今日,小倉で見た.
http://q-geki.jp/events/2018/nitosha/
テーマは,この国のメディアにまつわる「記者クラブ」体制,メディア幹部と首相との会食など,権力との癒着の問題だ.それも,「日本には大嘘つきが2人いる」(毎日川柳6/12)の2人のうちの1人の大嘘に加担する,まさに今の大手メディアの惨憺たる状況をまな板に乗せている.登場する総理べったりの2人の「ジャーナリスト」が誰かは,ある程度のメディア・リテラシーを持つ人,そして恐らくは今日の観客の大半にはミエミエだったはずだ.

苦闘する若いジャーナリストたち,最後に権力ベッタリだった女性記者が,ネットメディアの女性カメラマンに見せた同業者としての友情が,未来への一筋の光として描かれた.

公演が行われた北九州芸術劇場の「中劇場」の700席は満席,終了後は客席総立ちのスタンディング・オベーションが長く続いた.喝采の時間,舞台と客席との間には,「大嘘」のまかり通るこの日本への,権力中枢への,共通の怒りが波打っていたと思う.5人の役者が短い挨拶をしたが,最後に「保守系全国紙論説委員」役の松尾貴史さんが,「これはフィクションです」と言ったので会場大爆笑だった.

終了後にロビーには,たくさんの人が感想のアンケートを書いていた.私もそれに絶賛の言葉を贈った.

東京でしか観れないと思い込んでいたが,偶然フェイスブックで小倉公演を直前に発見,ネットでチケット取得を試みるも「売り切れ」,ムダ旅のリスクを冒して当日券売り場に行ったところ,前列端っこの席になんとか滑り込めた.

テーマの一つであるメディア幹部と首相との会食については,当ブログでも関心があったので,3年前,現実の当事者の一人である毎日新聞のある有名記者とメールのやりとり(社を介して)をしていた.そのブログ記事はこちら.
首相とメディアとの会食をめぐる毎日新聞とのやりとり

全国ツアーは兵庫(28日),愛知(30,31日),滋賀(9月2日)の残り3カ所.
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9/25追記1:Yahoo!ニュースに木野龍逸氏の評論「時代に漂う「空気」とはいったい何か ―― 生じる同調圧力と無責任の構図」が掲載されました。
追記2:関連過去記事 忌避すべきは「空気が読めない」よりも「空気支配」
1401577.gif2019年3月8日追記:読売演劇大賞の選考委員特別賞を受賞とのことです.同じ二兎社の「歌わせたい男たち」も読売演劇大賞を取っています.→そのブログ記事へ
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