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「ニュース発生」事象のプロセス検証の重要性 [メディア・出版・アート]

テレビ,新聞など主要メディアの,おそらく意図的に流されたであろう「ニュース」によって,飽和(サチュレーション)させられてしまうという現象は頻繁に起きていると思う.「スピン」とも言われる.加計学園獣医学部に関する国会質疑の日にかぶせられた,角界の暴力事件の「ニュース」はまさにそれだろう.後者が全国ニュースとして取り上げられる価値に疑義を挟むものではないが,この数日来のメディア枠の「独占」ぶりは誰も異常と思うだろう.

そこで,この「ニュース」の発生源はどこか,各社の第一報を調べてみた.応援のクリック歓迎

朝日の第一報
http://www.asahi.com/articles/ASKCG30ZSKCGTIPE008.html
日馬富士、酒に酔って貴ノ岩に暴行 「迷惑かけた」謝罪
2017年11月14日13時23分
「・・・暴行を加えていたことが14日、分かった。」

毎日
https://mainichi.jp/articles/20171115/k00/00m/050/126000c
日馬富士暴行 鳥取県警が捜査進める 傷害容疑など視野に
毎日新聞2017年11月14日 21時51分(最終更新 11月14日 23時31分)
「・・・鳥取県警が捜査を進めていることが関係者への取材で分かった。」

NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171114/k10011222561000.html?utm_int=detail_contents_news-related_003
日馬富士が貴ノ岩に暴行か 日本相撲協会が調査へ
NHK 11月14日 10時31分
「・・・けがの原因が横綱・日馬富士による暴行の疑いがあることがわかり、・・・」

読売
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20171114-OYS1T50050.html
日馬富士が暴行、貴ノ岩頭蓋底骨折…休場届け出
読売 2017年11月14日
「・・・暴行を加えていたことが14日、明らかになった。」

このように,各社とも,上で赤色文字でマークしたように,単に「分かった」とか「明らかになった」という表現で横並びしており,ニュースソースも,またどのようなきっかけ,経緯で「分かった」かも明らかにしていない.もちろん特定の社の「スクープ」でないことも明らかだ.(1401577.gif11/22追記:宗純さんのコメントによると,これはスポニチのスクープだったようです.)

情報提供者を守るためにニュースソースを秘匿することはありうるが,かりにそうであればそのことを明記すべきだろう.今回は横並び一線であることから,情報源は警察またはそれにつながる権力機関の「リーク」である可能性が大きい.そのような場合,情報源秘匿にどのような正当性があるのか,メディアは明らかにすべきだろう.

実際のところは,権力・マスコミが一体となった,国会審議隠しのための文字通りの「スピン」なのだろう.これが最も蓋然性のある推測と思う.

メディアの報道のプロセスそのものを検証する「メタメディア」が必要だ.
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コメント 4

バッジ@ネオ・トロツキスト

「事実」は無限に存在する。
だから「客観報道」などと称して、事実選択の背後に潜む価値判断の主観性を隠ぺいする「地べたを這う実証主義」の欺瞞性は明らかである。
そう、諸事実は同格でも非同格でもない。
双方が恣意的に選択した事実に依拠するだけの論争は、「神々の争い」でしかない。
事実自体が価値的に中立であったとしても、どんな事実を俎上に乗せるかという選択には自覚的であるか否かを問わず、価値判断が働いている。「客観報道」などというものは、存在しない。

諸事実間の非同格性・不等価性は二重の意味でそうである。

まず、諸事実間の発生連関の存在がもたらす諸事実間の非同格性。
「私が存在している」という事実と「母や父が存在している」という二つの事実は、同格ではない。私が存在(=誕生)していなかった場合でも、私の父母である男女は存在していたであろうから。
次に、事実自体に価値は無いとしても、二つ以上の事実が存在する場合の事実選択には価値判断を介在させざるを得ないから。前述の「客観報道」が見落とすものも、多くの場合、諸事実間の不等価性である。

事実それ自体は価値をもたずとも、複数の事実から取り上げる事実を選択する場合には価値選択が行われる。価値は、人間界のものだからである。(また、抽象的人間労働はそれ自体が価値でなくとも、それが対象化されると価値になる、というようなケースもある)

ま、上記の愚論はともかくも、20世紀の「ドイツ実証主義論争」は自然科学者も含めて学ばれて然るべきではないかと思う。
by バッジ@ネオ・トロツキスト (2017-11-18 18:49) 

 バッジ@ネオ・トロツキスト

ナンか、いつもロクに推敲もしないで書き込んでいるのでデタラメやミスが多くてすみませんね。

上記も4行目の「諸事実は同格でも非同格でもない。」は「諸事実は同格でも等価でもない。」の誤記入です。あれじゃ意味不明w
(他にもオカシナとこあるけど・・・・w)


ま、言いたかったのは、日本のメディアに顕著な、ニュース選択それ自体の問題性です。重要なニュースの報道をネグって、クダラン記事が溢れているという状況のこと。

by バッジ@ネオ・トロツキスト (2017-11-19 09:01) 

宗純

情報提供者を守るためにニュースソースを秘匿することはありうるが、
他のメディアからの引用した記事なら逆に、その事実を書く義務がある程度は常識で、
わざとサボれば個人のブログ程度でも批判されるでしょう。
ましてや今回のように大手メディアの全員が横並びで掟破りを行ったのですから驚天動地の異常事態なのです。

テレビやネットのようなリアルタイムなメディアとは違い活字メディア(新聞)の場合には『14日、明らかになった。』なら、半日程度前の情報だとの意味になる。
これ等大新聞社のニュースソースとは14日付けスポーツニッポンの大スクープだったのです。
時間的にも内容的にもスポニチが率先しているのは明らか。スポニチのスクープの後追い記事なのです。
それなら、本来14日の夕刊か翌日の15日朝刊で報じた時に『14日付けのスポーツニッポンによると、』と記事で引用元を明らかにするべきだった。
今回、一番不思議なのは、朝日や毎日、読売など全ての大手メディアは情報源がスポーツ紙(スポニチ)である事実を大新聞の沽券に関わるとでも思ったのか(明らかに面目丸つぶれの赤っ恥だが)全員が隠していることだが、その原因とはやはり談合による挙国一致の隠蔽工作でしょう。


by 宗純 (2017-11-20 16:02) 

yamamoto

「スポニチのスクープの後追い記事」との貴重な情報ありがとうございます.
by yamamoto (2017-11-21 21:58) 

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