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天皇のリタイア問題 [憲法・教育基本法]

天皇のリタイア問題について,政府は「特別法」で対応するようですが,これは明らかに違法(違憲)でしょう.憲法第2条には「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあり,明確に皇室典範と指定しているのですから,これの改正以外にはありません.応援のクリック歓迎

もっとも,私自身の意見は,このさい天皇制を有名無実化して(つまり改憲なしに空位),いずれは無形文化財にするのがいいとは思います.現天皇の人柄や考えとは関わりなく,この制度がナショナリズムに利用される危険は依然として大きいからです.

今回の天皇のビデオメッセージについて,いろいろ議論がされています.中にはこのメッセージ放映自体が違憲だと言う見方さえあります(末尾に該当箇所を引用).
http://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/e/75871eb095a395dcfd617c6ceffeefb7

たしかに憲法4条には,「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」とあります.「・・のみを行ひ」とは言っても,日常生活ではほかにいろいろの「行為」をするわけです.その「日常行為」には「意見表明」というのはないのでしょうか?天皇も人間なので基本的人権はあるはずです.その中には「意見表明権」も含まれるでしょうし,選挙では投票権もないとおかしいでしょう.「ビデオ・メッセージ」自体を違憲とする考えはこの基本権を否定するものではないでしょうか.もちろん,NHKテレビを使うという方法については議論の余地はあります.

「国政に関する権能」とは,意見表明権とはレベルの違う,直接的に国家権力に関与する権限のことと理解すべきでしょう.それ以外の拡大解釈を許すメンタリティーは,教員や一般公務員に対する「政治的行為」を禁止するとして,“政治的”発言まで押さえ込む考えと軌を一にするものではないでしょうか.

「メッセージ」の実質的な中味である,年を取ったのでリタイアしたいという要求は当然のことで,このような意見表明さえ許されないと考えるのは,人権無視というより非人道的とさえ言えるかも知れません.
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ブログ「アリの一言」から引用:
「ビデオ・メッセージ」は、天皇明仁が憲法の「象徴天皇」の意味を自分で勝手に解釈し、憲法にない「公的行為」なるものを勝手に拡大し、さらに憲法・皇室典範にない(したがって法改正に直結するきわめて政治的問題である)「生前退位」についての自分の意向を、「ビデオ・メッセージ」というこれまた天皇に認められていない手段(宮内庁はこれも「公的行為」と釈明)で一方的に国民に流したものです。その実態は何重にもわたる違憲行為です。
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2017年5月追記:究極的には改憲して天皇条項をなくすべきですが,それまでのつなぎの議論です.今の状況での改憲発議はどんな名目であれ極めて危険だからです.
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バッジ@ネオ・トロツキスト

基本的に賛成します。
無形文化財化提言も含めて。
by バッジ@ネオ・トロツキスト (2016-09-12 16:08) 

meisinn

選挙の投票は、「参政権の行使」であって、ただの「意見表明」ではありません。
(ただの人気投票にしてしまっているマスコミの責任は当然ありますが)
「人間」としての権利と、「主権者たる国民」としての権利は違います。

「〇〇のみを行う」と規定されている場合、「〇〇をしなくてはならない」という意味ではないから、
「やめること」自体は何の問題もないはずですね。


by meisinn (2016-10-23 16:51) 

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