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台湾の反核運動における非暴力直接行動 [反核・平和]

61mPEuZijsL._SX335_BO1,204,203,200_.jpg「原発を止めるアジアの人びと」という本(ノーニュークス・アジアフォーラム著)に,アジアのいろんな国の反核運動の現在が紹介されている.日本との違いが目立つのは,非暴力直接行動が大きな位置を占めていることだ.台湾の場合を,この本の96〜97ページから紹介する.
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非暴力直接行動
一四年三月八日、「原発廃止デモ(全台廃核大遊行)」は雨のなか計一三万人が参加した。台北のサウンドカーに引率された隊列では、行政院(政府)前の交差点で、スタッフが突然、黄色封鎖線を引いた。警察がただちに反応できずにいるなか、数千人の市民が交差点を占拠することになり、交通が遮断された。原発事故通報サイレンのような音が響き、防護服を着用したスタッフが、デモ参加者に横たわってくださいと指示。原発事故が起きたら台湾の国民は死ぬほかに道がないということを表現した。

この道路占拠は三〇分間続いた。「不核作運動」が呼びかけられたのだ。「非暴力運動」=「非協力運動」は、台湾では「不合作運動」となっている。「合作」は「協力」の意味。「合」の北京語読みは「核」と同じなので、語呂合わせで「不核作運動」となり、「非協力」と「反原発」を同時に表わしている。

中国とのサービス貿易協定の立法院(国会)承認をめぐって、三月一八日から四月一〇日まで、立法院占拠が行われた。この前代未聞の事件を、台湾のメディアをはじめ海外のマスコミも、「ひまわり学生運動」と報道した。たしかに表に出て発言していたのは学生の代表で、立法院の中には若者が多かったが、実は多くの市民団体が支えていた。毎日数千人の市民が立法院のまわりを囲んで盾となり、三月三〇日には五〇万人集会が行われた。原発推進も含めて、馬英九政権の民意無視・独断専行は度を越していたのだ。

立法院占拠の熱気冷めやまぬ四月二二日、第四原発の廃止を訴えるため、民主化闘争のシンボルである林義雄(リン・イーシォン)さんが、死を覚悟して無期限断食を開始した。断食に呼応する形で、全国一二六団体による「全国廃核平台(原発廃止全国ネットワーク)」が動き出した。二六日、大勢の市民が総統府前に座り込んだ。その場で、翌日のデモ行進とともに道路占拠を行うことが予告された。

二七日午後、「終結核電(ヂョンジエホーディエン)、還権於民(ホアンチユエンユィミン)(原発を終わらせよう、主権を市民に返せ)」と叫びなが、五万 人のデモ隊が、総統府前の凱達格蘭(ケダガラン)大道から出発した。忠孝西路の台北駅に面したエリアに着いたデモ隊は、予告通り、 道路占拠を図り、人数の勢いで警察の封鎖を突破し、八車線道路を十五時間占拠した。

激動の事態展開のなか、馬英九政権は妥協し、二基ともほぼ完成していた第四原発の「稼動・工事凍結」を発表した。「第四原発稼働は馬英九政権では凍結され、二〇一六年に誕生する新政権下の民意に判断が委ねられることになった」と報道された。

林義雄さんはこう述べた。「この数カ月のあらゆる抗議行動で、台湾人民がすでに普遍的に覚醒したことが・・・
台湾が現存する六基の原子炉廃止を決めたというニュースをあべともこ衆議院議員が伝えている.
https://twitter.com/abe_tomoko/status/703721100778180608
福島原発事故を自ら経験しながらも再稼働へと進むこの国,他の国の事故を教訓として民意によって原発廃止に進む台湾,この違いの運動側の原因の一つに,直接行動の有無があるのではないか.
関連記事:台湾の反核運動家のスピーチ(川内市,2014年8月31日)
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