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勝利するための最低条件は? [憲法・教育基本法]

多くの人々のかつてない努力にも関わらず,戦争法案が国会を通過してしまった.

問題は今回の運動の総括の仕方だ.最も恐ろしいのは,かつてない規模で,また多様な新しい形の運動が行われたことだけを取り上げて,まるで勝利したかのような言説で終わってしまうことだ.これでは敗走を「転進」と呼んだ旧軍部と同じだ.

プラスの面を正当に評価し,自らのエンパワーメントにつなげるのは当然だが,なぜ負けたのか,どうしたら勝て「た」のかを(あるいはもともと勝つ見込みはなかったのかを),深く,多面的に分析しなければならない.これには想像力が必要で,また骨の折れる作業だ.応援のクリック歓迎

最近では,教育基本法改悪に始まって秘密法まで,民主運動の敗北が重なっている(どちらもアベの「業績」).これらの敗北のあと,上のような本格的な総括が(主要な運動団体で,または影響力のある個人で)行われたとは思えない.はっきり言えば「かつてなく闘いが盛り上がった」式の粉飾決算しかなかったのではないか.これこそが民衆が敗北を続ける最大の原因ではないか.

追記:そもそも「総括」という言葉自体が死語になっているようだ.「過去のことを言っても仕方がない」式に,過去の運動から将来のための教訓やアイデアをまとめる作業をしない習慣.運動の途中では見えなかったことが広く見渡せるようになり,また記憶も鮮明な時点で,そのような作業をしておくことは死活的に重要なはずだ.「振り返り」と言い換えればいいのか,「レビュー」とカタカナにすればいいのか.

1401577.gif追記2(9/20):「運動で阻止することははじめから無理だった,運動の重点は法案の問題点を広く知ってもらうこと」と思っていた人も多いのではないか.ある野党系の地方議員に「総括が重要ですね」と話しかけたら,「今回は総括と言っても・・・結局は議席数の問題だから・・・次の選挙が重要」という反応に驚いてしまった.もしそのような立場なら,「絶対に止める」というスローガンは単なるお題目だったということになる(もっとも,この議員だけでなく多くの運動の参加者がそれを内心承知だったというフシがある).単純に考えればそのとおりだ.しかしこれは社会運動のダイナミズムを,物理の言葉で言えば「非線形性」を理解しないものだ.例えば,最も考えやすい阻止のシナリオは,審議を引き延ばして会期末に持ち込む(再可決を狙う衆院も同様)ということだろう.ほかには,私が前から提唱している,そして横浜で実践されたNVDA(非暴力直接行動)による阻止作戦もある.
政治プロセスについて議席数だけを偏重した態度と言わざるを得ず,「選挙がすべて」というとこまで行ってしまう恐れがある.
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