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藤原紀香氏の発言に対する公安の違憲行為疑惑 [社会]

東京スポーツウェブ版(東スポweb)が,「『藤原紀香はシロ』公安に背後関係まで調べられた秘密保全法の怖さ」というタイトルで,女優・藤原紀香氏の秘密保全法に関する発言とそれに関する公安の動きを伝えている.
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/192709/

記事は15日から始まる国会でこの法案が提出されること,それに対する国会議員や一般の懸念と,それへの政府・自民党の対応などを述べた後,藤原紀香氏のブログ記事について,その「背後関係」を公安が調べたということが書いてある.実際には二重伝聞,つまり二重の間接話法になっている.
「この法案にはいろんな団体が反対しています。なかには公安の監視対象になっている団体もある。なので『念のためではありますが、藤原さんがそういった団体の影響で書いているのかどうかを調べました』と公安が言うんです。結論はシロ。純粋に心配だからそう書いたといいます」(永田町関係者)

e5171c1cf62973bc0db52a4e718075b0-230x300.jpg「永田町関係者」の話を東スポの記者が引用し,その「永田町関係者」が「公安」の話を引用している.さらに,紀香氏の発言も引用されているようだ.つまり,「純粋に心配だからそう書いたといいます」の主語は紀香氏と取るほかはない.ということは,「調べた」のは紀香氏への聞き取りも含まれるということだ.聞き取りをしたのが「永田町関係者」でなく公安だとすれば,この部分も二重伝聞の表現にしなければならないはずで,つまり,「公安によれば『純粋に心配だからそう書いたといいます』とのことです」とするのが正確だろうが,これはとりあえず単純な省略だと見なしておこう.

この報道には重大な問題がある.まず,事実そのものの問題だ.「永田町関係者」の話が正確であるとすれば,公安は,おそらくその名前が由来するところの「公共の安全」と何の関係もない調べものに無駄な時間を使ったということだ.勤務時間を自分の趣味に使った,遊びに使ったに等しい.パチンコ屋に行っていたのと大差ない.公務員の服務規律の問題が生じる.応援のクリック歓迎

また,この報道自体の問題もある.「永田町関係者」の話に含まれる予断と偏見,イデオロギー性に無批判なまま,その言葉を引用するという見識のなさである.「公安の監視対象」の影響が見られなかったので「シロ」という言い方には,公安の監視対象にされた者や団体は無条件にいかがわしく,あるいは危険である,という暗黙の含意がある.無関係だったということに「シロ」という言葉を使っていることからも明かだ.「公安の監視対象」とは関わりを持つなよ,という暗示ないし威嚇が含まれる.紀香氏の写真キャプションまで「シロだった紀香」としている.

この件での公安の行動を「時間の無駄遣い」と言ったが,もちろんそれにとどまるものではない.すでに多くの人が指摘するように,通常の市民の活動(言論・表現活動)を犯罪視し,萎縮させる効果を狙ったものだろう.その意味で,パチンコ屋に行っていたのと大差ない,とは言えない.それどころではなく,明かな違憲行為だ.心ある国会議員は事実を確認し,その事実が確定すればこの公務員は処罰されなければならない.決して放置してはならない.
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