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東京行きに線量計を携帯—その2 [仕事とその周辺]

SANY0033q.jpg先月末,東京に2日半滞在した.動き回る先々で出来るだけ空間線量を測定した.(その1はこちら)
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室内や交通機関の中では平常値と区別がつかないが,土が露出する歩道脇の植え込みは明かに高い.これは,経産省前テントそばの植え込み.5回読み取りの平均と標準誤差は,0.137±0.017マイクロシーベルト/時.線量計を置いたのは「カウンター」の矢印の位置.
counteratMITI.jpg
本来,つまりフクシマ以前は,このあたりは0.04ぐらいのはずなので,この自然バックグラウンドの2倍ほどの放射線が積み重なっていることになる.土が汚染されているということは,関東一円の農産物も多かれ少なかれ汚染されているということだ.もちろん規制値の100ベクレル/kgよりはずっと小さいに違いないが,残念ながら安全値というものは存在しない.

次が自然バックグラウンドのマップ.
環境放射線量マップ.gif
よくこの天然の放射線,放射能の数値が引き合いに出されて,その数倍程度だから問題ない,そのくらいの線量の場所はほかにいくらでもある,と言われることがある.しかし放射能というものは単一の数字に還元できるものではない.種類(核種)によって人体効果は違うのだ.天然の放射線・放射能とは,人類はその誕生以来何十万年も付き合ってきたのだが,放射性セシウムなど,原子炉由来のものはそうではない.そのような人工放射性物質でくらべると,本来あるべきでないものがある,ということで,倍率以前の問題なのだ.そしてそれは,「マイクロシーベルト/時」という数字ではなく,ガンマ線のスペクトル,つまり「指紋」を見れば一目瞭然なのだ.この経産省前の植え込みの土をシンチかゲルマにかけてスペクトルを測定すれば,セシウム137のピークが恐ろしいくらいのスピードでムクムクと立ち上がって行くはずだ.

昨年も同様の測定を,やはり経産省前で行ったが,その時の半分ぐらいの値に減ってはいる*.つまり雨による洗い流し効果が効いている.ということは,東京湾の汚染がそれだけ進んでいるということを意味する.放射能は(物理的半減期による以外)消えもせず,腐りもしないからだ.

今回も飛行機の中で測定したが,東京から福岡への帰りの便の機内での値のグラフ.
jal331rad.jpg
値だけで比べれば,経産省前の植え込みの値は,一番高い上空での宇宙線被曝に相当する.

DSC_4756.JPG右は佐賀での値.これはほぼ100%自然バックグラウンドだ.
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* それと,半減期の短いセシウム134の減衰.
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