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共産党執行部は敗走を「転進」と呼んだ旧軍部に似る [憲法・教育基本法]

1401577.gif私が知る野党党首ツイッターです.
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福島みずほツイッター https://twitter.com/mizuhofukushima
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昨日の共産党中央委員会総会の志位報告(→ウェブ版)をネット視聴し,短いコメントをフェイスブックに書き込みましたが,すこしまとまった文章にしたいと思います.表題はどぎついと思われるかも知れませんが,切羽詰まった筆者の憂慮を表現するにはこれしかありません.

原発即時ゼロやTPP阻止,アベノミクス*批判など,志位報告が述べた政策の基本にはもちろん賛同し評価します.しかし改憲阻止の戦略・戦術については全く賛同できません.国政選挙のレベルでは,以下に述べるようにこれは無策に等しいからです.全会一致で承認されてしまったのですが,どうしてそうなのか,出席者のただの一人にも疑問は生じなかったのでしょうか?

選挙闘争に関してもっぱら前面に押し出されて強調されるのは比例区の5議席確保であって,政党間の共闘,協力については,沖縄県を除けば全国的には「条件存在せず」のひとことで片付けられてしまっています.統一戦線の対象に関しては,志位報告が文字化された赤旗の紙面やウェブの見出しでは「無党派と日本共産党との共同――日本を変える新しい統一戦線をつくりあげよう」**とあり,他党は眼中にないという姿勢です.しかも近接した見出しには「いま日本に政党と呼べる政党は一つしか存在しない」(引用符付き)とあるのですから,もう決定的です.「存在しない」ものとの共闘はあり得ませんから.

しかし,はたして共産党の「5議席確保」だけで十分に改憲阻止の可能性をつかめるのでしょうか.そんなことはあり得ないし,もし志位氏がそう信じているとしたら,全く現実感覚を失くしていると言わざるをえないでしょう.本当に真剣に改憲阻止を考えるなら,政党間の共闘を考えなければならないはずです.たとえば社民党について言えば,憲法九条擁護の点はもとより,TPPでも原発でもほぼ政策は一致していると思われますが,なぜ共闘,協力の「条件がない」のか,あるいはその条件を作ろうとする努力にも値しないのか,説明も議論も全くありません.

憲法問題が重要争点の一つとなる選挙であり,しかもその改悪の危険性が決定的な程のレベルにあることから,憲法と並んで戦後民主主義の重要な財産であった教育基本法(以下教基法と略)改悪の事例に学ぶことは重要です.この改悪は「郵政選挙」で大勝利した小泉自民党の内閣(第3次小泉内閣)によって国会に提出され,それを引き継いだ第1次安倍内閣のもとで2006年12月に成立してしまいました.共産党はこれを阻止するべく闘いました.その闘い方についてはさておくとして,ここで問題にしたいのはその「総括」です.

成立直後の,年が明けて2007年1月の中央委員会総会(3中総)報告では,敗因分析(総括)もなくいきなり「たたかいは,これからが大切になります」で始まり,改悪教基法の「具体化の一つひとつが,競争主義,序列主義の教育の矛盾を深刻にし,破たんせざるをえないでしょう」と続きます.さらに,「全党の確信にすることが大切」なこととして,「国民が発揮したエネルギーの大きさ」,「日本共産党の果たした役割」の二点を挙げ,どちらにもポジティブな評価を与えています.まるで闘いに勝利したかのような言葉ばかりが続くのです.この貴重な財産を失った,少なくとも重篤に変質させられたという敗北の悔しささえも読み取れません.

この志位報告発表の直後の当ブログ記事で,このような総括とも呼べない総括について,敗北を「『転進』と粉飾しているように見えてしまう.九条が改悪された後も,やはりこのような『前向きの』総括をするのだろうか?」と書きました.今回の志位報告でその悪い予感は一層強まります.「元気のよい」「明るい」言葉で埋め尽くし,現実を直視せずに自らを欺いて破滅の道に突き進んだ旧軍部と重なって見えてしまうのです.

去る4月29日に久留米市で共産党の市田書記局長の講演がありました.この町で二番目に大きなホール(約1,200名収容)がほぼ満杯になり,成功裏に終わったと言うべきですが,政党間の共闘問題では上記の志位報告と全く同じでした.直接の質疑応答もあるかも知れないとわずかに期待し,その機会にはたとえどのように「空気」に逆らおうともこの問題を正面から提起しようと思いましたが,やはり講演だけで終わってしまいました.質問用紙が配られていたので,それに書いて提出したところ,市田氏本人から2日後の消印で葉書が届きました.国会内外の共闘は重視し尽力するが,選挙共闘は「憲法だけでなく,安保,原発,TPP,消費税など,国政の基本問題での一致と共闘の意思がないと,野合になってしまいます」と書かれていました.そして7中総で詳しく解明します,と結ばれていました.「解明」より「提案」を,と言いたいところですが,しかし志位報告では,上記のように,なぜ共闘できないかの「解明」もなかったということです.

共産党は,数は少ないものの政策面で野党として不可欠の位置にあり,その役割と責任は重大です.したがって党員や支持者でなくても,この党の動向には関心をもってしかるべきだと思いますし,注文を付けることが大事だと思います.知識人の役割も強調したいと思います.九条が重大な危機に瀕している今こそ,効果的な,核心を突いた,「役に立つ」発言をする責任があると思います.「九条の会」の知識人は,選挙の問題,政党間共闘の問題に踏み込んで発言すべきです.これまで「九条の会」は選挙にはノータッチという姿勢だったようですが,それではダメです.もちろんどれかの党派に肩入れするというのではなく,共闘を強く呼びかけるべきだということです.政党間共闘なしには改憲阻止の可能性は非常に小さくなると思います.

「国政の基本問題での一致」の条件を満たす党派の勢力は,現時点では数では少ないかも知れません.しかし共闘は「希望」という力を,そしてそれによる非線形効果を生み出すのです.「1+1は3にも5にもなる」という言葉で表現されるそれです.急いでこの「希望」に火をつけなければなりません.
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* 正しくは“アベコベノミクス”
** アンダーラインは引用者
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付録です.教基法改悪問題の時の当ブログ記事をいくつかリストします.
教基法改悪反対の佐賀大学声明に3学部長が署名
議員会館にファクスの紙を充満させる
「指示待ち人間」を減らす
現行教基法への政府の「理由なき反抗」
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きよちゃん

改憲阻止のための野党共闘の必要性と、それに対する貴兄の熱意はわかりました。そして共産党がそのために努力するべきだとの意見はその通りです。しかし問題は、なぜ野党共闘ができないのか、それができない責任が主に共産党にあるのかどうかということです。いやしくも政党間の協力が成り立つためには、政策の一致と、それをもとにした対等平等の協力が必要です。もしそれがなくて、ある政党が、一致する共通政策もないまま一方的に自らの候補者を降ろして他党を推薦したら、自らの支持者にどう説明するのでしょうか。そんなことをしたら、それこそ無定見のそしりを免れないでしょう。さらに言えば、現時点で、社民党、民主党、生活の党、緑の党のうちのどの党が、共産党と対等平等の政策協定を結ぶ用意があるのでしょうか。あるいは、将来、その芽をもつ政党があるでしょうか。もし、該当する政党があれば、それを教えてください。もしそのような政党がない場合、それでも貴兄は、共産党に一方的に候補者を降ろして、他党を推薦しろとお考えなのでしょうか。貴兄が、「共産党は、旧軍部と同じように敗走を転進と言い換えている」と明言するほどの見事な定見をお持ちならば、それ以上に明確なお言葉をいただければ幸いです。
by きよちゃん (2013-05-10 20:45) 

yamamoto

コメントありがとうございます.私の記事の趣旨は,頂いたコメントの最初の2行半のことを言っているだけです.共産党の側から積極的な働きかけをしても必ず成功する保証はありません.しかしその努力をまず真摯に行う必要がある,という趣旨です.
by yamamoto (2013-05-10 22:32) 

ススム

今日の状況について心ある人はみな心配していますね。

yamamoto さんの言わんとすることは充分わかります。 しかし、同じような主張(提起)をされる方が、なぜ社民党をはじめとして民主党、生活の党、緑の党などが共産党との共闘に消極的なのかを追求しないのでしょうか?

ちなみに、社民党も、民主党も生産現場の労働者を組織する「連合」の組織内候補が圧倒的ですよ。 それらは、共産党とは相容れない(一線をかくすこと)で存在価値を示し、堕落した労組の幹部たちの支援を受けているのです。

私自身、大企業労働組合に永年いた一員として、これらの党が「言葉だけは勇ましくとも決定的瞬間において労働者を裏切る!!」ということを身にしみて感じています。

でも。。。。今日の状況は、「そんな過去にとらわれるな」という事もわかります。であるならば・・・なおのこと共産党批判を前面に出すのではなく、他の「護憲」を掲げる全政党・会派に訴えるべきだと感じますけどね〜。

タイトルの「共産党執行部は敗走を「転進」と呼んだ旧軍部に似る」は、悪罵としか感じません。 今日の状況を招いた選挙制度(小選挙区制)の導入にシャカリキとなっていた張本人は、あの小沢さんだということを忘れてはなりません。
by ススム (2013-05-11 00:54) 

きよちゃん

失礼ながら、貴兄のご返事は回答になっていません。「共産党の側から積極的な働きかけをしても必ず成功する保証はないが、その努力をまず真摯に行う必要がある」ということですが、貴兄の記事は、「共産党は、共闘のための真摯な努力をしていない」と決めつけているのです。実際は「何度も真摯な努力を試みたが、すべて断られてきたし、今もそれは同じ」ということではないでしょうか。現下の政治状況における革新側の分断は、共産党が自ら招いたのではなく、1970年代の革新勢力の上げ潮に危機感を抱いた日本の支配層が、共産党孤立化のための総がかりな作戦によるものだと思います。例を挙げれば国鉄民営化による国労解体=総評崩壊=労働組合の右傾化、社公合意に始まって自社連合政権へ至る社会党(=社民党)の引きはがし、文芸春秋などによる共産党攻撃、極めつけが小選挙区制の強行など。現在でも支配層側は、革新側にくさびを打つための仕掛けを張り巡らせている。それらの作戦が功を奏した原因に、共産党の力量不足を指摘することは可能ですが、それを仕掛けた支配層側の動きや、その作戦に巻き込まれた側の批判的分析なしに、共産党にすべてを押しつけ、あろうことか、旧軍部と共産党を同一視するのは、歴史的事実に目をふさぐ知的怠慢であり、その根底には理性の崩壊があると指摘されてもやむを得ないでしょう。大変失礼な言葉を書き連ねましたが、現在、「革新側」を自認する人々に同じような「知の雪崩現象」が見受けられるので、あえて書かせていただきました。
by きよちゃん (2013-05-11 02:17) 

檜原転石

共産党は領土問題認識はまったく駄目ですが(注:初期には間違えた原発問題にもやっと目覚めましたが)、他ではおおむね正しい主張をしているので、批判すべきは、共闘問題(共産党と組まずに右翼政党と組みたがる社民党問題が本質、もっとも共産・社民共闘では勝てないほどに日本国民が右傾化しすぎている問題が常にある)ではなく、その党名ですよ。日本共産党→世界貧乏党にすれば、維新のような馬鹿の集団に熱中している国民も目が覚めるかもしれません。

人権派弁護士ではなく悪徳企業弁護士に熱狂している日本国民の知的怠惰の惨状は酷く、果たしてテレビ・新聞などの洗脳だけが原因でしょうか?

政党など貧乏人にとってただの道具ですから、高望みは禁物です。ただし世界貧乏党に名前を変えて選挙をやっても今のていたらくのままなら、私はもう政治をあきらめます。
by 檜原転石 (2013-05-11 05:51) 

yamamoto

ススムさんへ:
おっしゃる通り他の野党の姿勢も問題です.社民党の前身,社会党に関し昔々に遡れば,「社公合意」時代の共産党はずしの責任があります.でもこの記事は共産党の,特に今回の志位報告に焦点を当てた議論です.短いブログ記事で包括的に論じることは出来ません.

きよちゃん(さん)へ:
「貴兄の記事は、『共産党は、共闘のための真摯な努力をしていない』と決めつけている」
とのことですが,私が主張したのは,志位報告からはそれが読み取れないだけでなく,逆に,消極的な態度の表明に事実上なってしまっている,ということです.言うまでもなく幹部の発言やテキストというのは,”それだけで”重要な意味と影響とがあるのです.
 共闘のための努力は(当然あると思います),交渉ごとに付随する合理的に正当化される短い時間を除いて,公表されるべきだと思います.世論の注視とプレッシャーの中で行われるべきです.
 「共産党にすべてを押しつけ」ていると,私の記事のどこからそう読み取られますか?ご指摘の政治状況の背景の問題も含め,この点についてはススムさんへの回答の後半と同じです.

檜原転石さんへ:
党名に関する議論,ありがとうございます.この点についての私の意見は,日本共産党に関しては「共産党」は誇るべき名称であり決して汚名ではありませんが,国際的には逆の要素が強く,その影響力は無視できないと思います.ですから変更するメリットはありうると思います.しかし名称はしょっちゅう変えるべきではなく,少なくとも数十年は耐用年数が必要です.
 そこで,ご提案の「貧乏党」ですが,私には残念ながらピンと来ません.私の代案は「共同党」です."communism", "communist"は"community"と前半の語根は同じで,"community"は「共同体」と訳されます.ですから"communist party"の現代的な正確な訳は「共同体主義者の党」です.略して「共同党」."communism"を「共産主義」と訳したのがそもそもの誤りだと思います.原語に「産」=「生産,産業」を意味する要素は全くありません.
 ちなみに,記事で紹介した市田氏の講演でも,「コミュニティー・センター」という言葉を挙げて党名の由来を説明していました.もちろん氏の意見は党の公式見解同様,「変更せず」ですが・・・.
by yamamoto (2013-05-11 10:44) 

きよちゃん

「共産党にすべてを押しつけている」とは言いすぎでした。では逆にお聞きしますが、貴兄は、すくなくとも旧軍部と共産党を同一視するのと同じ程度で、社民党や生活の党などに、共産党との共闘をしないことに対する批判をしているのでしょうか?貴兄に対して最も小生が言いたいことは、「旧軍部と共産党を同一視するのは、歴史的事実に目をふさぐ知的怠慢であり、その根底には理性の崩壊がある」ということです。それが生まれるのは、「焦り」からくる苛立ちですね。ついでに言えば、「私はもう政治をあきらめます」と自己を正当化しながら国民を見下す「檜原転石」さんや、軽々に旧軍部と共産党を同一視するYamamotoさんたちに、日本の知識人の弱点を見るのです。すなわち、敵との壮絶な戦いに身を置いたこともなく、いつも自分は安全なところにいて現実を解釈するだけの、頭でっかちな人々。
by きよちゃん (2013-05-11 17:48) 

yamamoto

ブログはNHKではないので,一つの記事の中で「公平性」を求められても困ります.でも,もちろん他の党にも「共闘への努力不足」という点は多かれ少なかれ当てはまると思います.つまり,市民は,あるいはそれぞれの党の支持者は,各党の執行部に向かって,共闘を要求すべきだと思います*.先ほど友人から送られた新聞コピーに,朝日の4月22日の投書がありました.タイトルは「護憲勢力は新・政党連合で臨め」で,「国民は政党を超越して民意と一致する議員を選ぶ権利がある」と結ばれています.まさにそのとおり,と思います.

「旧軍部と共産党を同一視」というのは,現実(もちろんある一面の)を直視していない,という批判の手段として使ったまでで,「目的の当否」という点ではもちろん真逆.記事の最初にこのことを断ることも考えましたが,言わずもがなで,むしろ煩雑と思ったのです.軍国主義と命を賭けて戦った歴史は自明,との前提でした.そうでもなかったようですね.

「いつも自分は安全なところにいて現実を解釈するだけの、頭でっかちな人々」の一人と私はされたようですが,そんなに私のことをご存じなのでしょうか?

* 「クラウチ教授の処方箋」を参照頂ければありがたいです.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2008-05-18
by yamamoto (2013-05-11 21:08) 

yamamoto

上のコメントで言及した朝日の4月22日の投書ですが,冒頭部分だけは次で読めます.
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201304210361.html
by yamamoto (2013-05-11 21:52) 

東本高志

きよちゃんさんへ

きよちゃんさんの本記事への反論を読みました。

以下は、ひとりの本ブログ記事の読者としての私の再反論記事です。長くなりましたのでコメント欄の記事としては不適だと思って弊ブログ記事としてエントリしました。ごさんしょうください。

■先にご紹介した「共産党執行部は敗走を「転進」と呼んだ旧軍部に似る」(ペガサス・ブログ版)記事への反論に対する一読者としての私としての再反論(2013.05.11 )
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-576.html
by 東本高志 (2013-05-11 22:35) 

96条改憲(立憲民主主義の否定)反対!

ペガサスさんの御主張、まったく同意同感です。
私が普段から共産党に対してなんとなく抱いている疑問・不満をわかりやすい文章ですべて代弁していただきました。
ありがとうございます。

さっそくコメント欄には予想通りの内容の批判(紋切り型)のコメントが掲載されていますが、
今は「共産党は悪くない。あいつらが悪い」とかやっている場合でしょうか。
ほんとうに96条改正を阻止したいのであるならば。
やはり、憲法より党を上に置いている党員の方が多いのでしょうか。

安倍内閣・自民党の今の高支持率が続けば、今夏の参院選は自民党の圧勝で間違いありません。100%確実です。
単独過半数はもちろん、70議席くらいいくかもしれません。
(共産党は選挙区でいつものとおり全滅。比例区は2~3議席でしょう)
自民党、維新、そしてみんなといった96条改憲勢力の数は3分の2を超えるかもしれません。その可能性大とみています。
にもかかわらず、あいかわらず、96条改憲反対派同士がいがみあって、足の引っ張り合いをしている場合でしょうか。
戦後民主主義始まって以来の「立憲民主主義崩壊」の危機なのにorz

96条改憲反対派各党(及びその党員)は、党か憲法か、究極の二択を迫られている事を自覚してほしいです。

はっきり申し上げると、共産党の解党を望みます。
いや、共産党だけではありません。
民主党、社民党、生活の党、未来の党、みどりの風、そして緑の党の解党を望みます。
その上で、96条改憲反対・脱原発を掲げる強大な中道左派政党を結党してほしい。
それくらいやらないと、今の自民党・公明党ブロック、維新・みんなブロックには勝てないと思います。
それほど、厳しい局面を迎えているのです、今は。

>朝日の4月22日の投書がありました.タイトルは「護憲勢力は新・政党連合で臨め」で,
>「国民は政党を超越して民意と一致する議員を選ぶ権利がある」と結ばれています.まさにそのとおり,と思います.

まったく同感です。この方が抱いているような危機感が政党の側にまったく感じられない。
共産党の本音は、「憲法なんてどうでもいい。組織防衛さえできれば、それでいい。イデオロギー防衛さえできれば、それでいい」なんでしょうかね。

政党側に危機感が乏しく、いっこうにまとまる気配がないのなら、有権者の側で自主的に戦略的投票を心がけるしかないと思います。

つまり、選挙とはベストを選ぶのではなく、最悪を落とすためにある、とわりきること。鼻をつまんで「クズ」に投票すること。
具体的には、「脱原発派・96条改正反対派」にとっての最悪は、明らかに自民党と維新ですから、
最悪=自民党・維新を落とすためなら、鼻をつまんで「クズ」に投票する覚悟をもつしかないと思います。
https://twitter.com/masamaru_bot/status/280094162248933376
96条改憲反対派政党(とその支持者)にどこまで自覚があるのかはわかりませんが、
参院選は、立憲民主主義を守れるかどうかの最後の戦いになるかもしれません。
この戦いで、3分の2以上を取られたら、実質的には“終わり”なのですから。

【ご参考に】
中道左派=リベラル退潮の理由 溝埋められぬ旧左翼と市民運動
格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。
答えは明白だ。旧左翼と市民運動の間に「深い溝」がある。越えようとする覚悟がない。
組織防衛が先に立ち「妥協」を拒む。負け癖がついて敗北に危機感が伴わない。
http://diamond.jp/articles/-/29695
by 96条改憲(立憲民主主義の否定)反対! (2013-05-12 04:01) 

96条改憲(立憲民主主義の否定)反対!

東本さんのブログも初拝読しました。
とても勉強になりました。
そんなこともあったのですね。

共産党という政党は、ほんとうはいったい何を守りたいのか、何をしたいのか、ますます不信感が大きくなりました。
これだけ選挙に負け続けても責任を取らない執行部。
保身しか頭にないのだろうか。

「共産党執行部は敗走を『転進』と呼んだ旧軍部に似る」
このタイトル、ほんとうに当たっていると思いました。
by 96条改憲(立憲民主主義の否定)反対! (2013-05-12 04:20) 

AS

本エントリ内容には全く賛同出来ません。
むしろ、自民に取り込まれ右傾転落した社民(“自・社・さ”の村山内閣)や民主(讀賣渡邊恒雄の企んだ大連立構想 失敗したが)にこそ責任があるのは明らかです。
by AS (2013-05-12 12:44) 

Ladybird

 共産党は政権政党になる,またはその一角をになう意思があるのでしょうか.
 勝てる選挙をやって欲しい.政権の一角を担って,政策決定に関与して欲しい.でなければ共産党への一票は「死に票」でしかない.

 「アメリカ言いなりもうやめよう」などは,政権を担当したうえで初めて言えること.ご立派なことを遠吠えしているだけなら猿でもできます.

> 自民に取り込まれ右傾転落した社民(“自・社・さ”の村山内閣)や民主(讀賣渡邊恒雄の企んだ大連立構想 失敗したが)にこそ責任がある

 こういうことも,自分がやってないから言えることではないでしょうか.やって見せてもらえませんか? まず選挙に勝って,実際に政権の一翼をになって,責任ある政治をやって見せてください.

 そして実際そうするためには,野党間で候補者を調整することが必要です.特に今は改憲を阻止するため,候補者を絞る工夫が必要です.票を分散させる結果しかもたらさない独自候補をたてるなどという余裕はないはずです.
by Ladybird (2013-05-12 13:55) 

AS

>こういうことも,自分がやってないから言えることではないでしょうか.
>やって見せてもらえませんか?
>まず選挙に勝って,実際に政権の一翼をになって,責任ある政治をやって見せてください.

私が共産党の地方幹部だと思っておいでですか?Ladybirdさん。
とんでもない。主張に共鳴するだけの一個人ですよ。
今までに失敗したのはみんな“反自民・非共産”を掲げて候補分裂を招いた「市民グループ」だったという事実も直視して下さい。
by AS (2013-05-12 14:33) 

きよちゃん

いわゆる「改憲」の動きの裏には、アフガン、イラクで戦争を仕掛けたにもかかわらず依然として現状を打開できないので、日本を直接に戦争に引っ張り込むために仕掛けたアメリカと日本の支配層がいるのは間違いありません。彼らはこれまで、集団的自衛権承認を含む解釈改憲という迂回作戦と、九条をはじめとする明文改憲の正面作戦の二本立てで護憲派に対峙してきましたが、おそらく去年の初めごろ(あるいはそれより少し前)から、アメリカ側が明文改憲にスイッチオンをしたと思われます。その前後の動き(橋下に言わせた96条改憲、石原による尖閣列島の火付け、連合の方針からの「憲法改正時期尚早論」の取り下げなどなど枚挙にいとまがないが、すべてが裏で通じている)がそれを証明しているのではないでしょうか。
 日本の支配層が総がかりでやってきている改憲雪崩に対する護憲派の動きが、情勢に見合っていないのは明白です。このままいったら、改憲されてしまうかもしれないのも事実です。
 しかし、なぜ護憲派の動きが情勢に見合っていないのか。多くの理由がありますが、その中には、小生のコメントに反論されている人々が期待する、いわゆる「野党」の中にも改憲派がいて、共闘を下から引っ張ってる部分があります。おそらく、二大政党を作った支配層が、いざという時に備えて、民主党の中に「内通派」を居残らせたのではないかと小生は見ています。歴史を見れば、支配層は必ずそういう手を打っていますし、民主党政権の崩壊過程をつぶさに見れば、誰が内通派であるかは一目瞭然。しかも今は、彼らが民主党の中枢にいる。
 さらに言えば、そもそも「護憲」で選挙を戦う政党自体が多くないのです。民主党も、生活の党も、未来の党もみどりの風も、次期選挙で護憲で戦うと言っているのでしょうか(民主党が最近96条改正反対を言っているが、9条については沈黙)。一方、護憲派の社民党は共産党と組むつもりはありません。その保証もないのに、「解党して護憲で一致せよ」とは幻想でしかなく、共産党もそれがわかっているのでしょう。
 ここまで書くと、「ではお前は、改憲派の怒涛の動きにどう対処したらいいというのか?改憲派の衆参占拠をどうやって止めるつもりなのか?」と聞いてくるでしょう。
 正直に言えば、それに対する明確な戦術は思いつきません。しかし確実に言えることは、基本戦略は明確、つまり国民の良識を信頼してそこに呼びかけることです。現在でも国会の議席数では圧倒的に護憲派が少数ですが、96条や9条の改定には国民の多数が反対か互角(新聞社により数字が異なる)です。96条問題でも、護憲派の反撃で世論が変わってきました。したがって、基本戦略は国民の良識をよりどころにして市民運動を起こすことと、その力で政党を動かしていくことです。ただし、参院選までには選挙協力が出来ないでしょうから、その場合は護憲政党を応援して一人でも議員を増やすことしかないでしょう。選挙の後ででも、護憲政党の共闘の構築は可能です。もちろん、政党間の政策協定が出来れば、それに越したことはない。
 この意見に対して、このブログに参集する人々は「そんなことで改憲派を打ち負かせるとでも思うのか」と冷笑し罵倒するでしょうが、どうぞご勝手におやりください。そしてあなた方は、今よりももっともっと、護憲政党に罵声を浴びせ続けることです。そうすればきっとまちがいなく、そのことによって改憲派を打ち負かすことが出来るでしょうから。
 なお、この件を限りに、小生はこのブログを見限りますので、反論しても無駄です。これ以上みっともない「日本の知識人崩れ」を見たくもありませんので。
by きよちゃん (2013-05-12 22:43) 

yamamoto

改憲の動きの背景と,これに関する政党の状況の分析ありがとうございます.私もほぼ同様な見方です.「どうすればいいか」で意見が分かれているようにも見えますが,最後のご投稿を読みますと,それほど違わないようにも思います.「国民の良識を信頼してそこに呼びかけること」,「国民の良識をよりどころにして市民運動を起こすことと、その力で政党を動かしていくこと」,まさに私も全く同意見です.その「動かす」方向,行動のメニューに,国政選挙レベルの統一戦線を加えるべきだ,と言う点を私は強調しているのです.そのプロセスの中で,あるいはそれと平行して,可能性のある諸党派に「護憲で戦うと言」わせるのです.

この点に関して,志位報告には不満である,と言っているのです.

なお,私は決して「解党」など主張していません.もちろん「罵声を浴びせ」てなどいません.

拙ブログを「見限られる」とのことですが,これまでのおつきあいに感謝します.
by yamamoto (2013-05-13 00:56) 

yamamoto

ちなみに,最後の方の,「みっともない『日本の知識人崩れ』」というフレーズは「罵声」のようにも聞こえますが,いかがでしょうか.
by yamamoto (2013-05-13 01:10) 

BLOG BLUES

こんにちは。TB、ありがとうございます。いま僕らに必要なことは「隗よりはじめよ」では、ないでしょうか。

貴兄のいわれる「護憲勢力大同団結」は正論だと思いますが、とにかく個々の力が弱過ぎて、足してもいくらにもならないと思います。もちろん、それでも団結するにこしたことはありませんが。

改憲は必定である。僕は、そういう認識に立っている。もし、改憲に至らないとしたら、米国が、日本の改憲勢力に懸念を感じたときでしょう。米国次第ですね。だから、安倍政権が高支持率にいい気になって、どんどん右傾化してくれたほうが、明文としての憲法は残るような気がいたします。

で、こういう米国の半植民地的な国家の在り方自体を変えなきゃならないというのが、僕の考え。革命です。改憲されたのなら、政権を奪取して、改憲し直す。その土性骨が、求められているのだと思います。

こんなにも素晴らしい日本国憲法を戴きながら、なぜ、その理念が具現化されず、国民生活に根づいていないのか。いわんや風前の灯火なのか。いわゆる「護憲政党」が、共産党も旧社会党も、実のところ護憲ではなかったからだと思います。日本国憲法と社会主義は、相容れませんものね。

日本国憲法を具現化すれば、その政体は、北欧型の社会民主主義政体となりましょう。僕が子どもの頃は、共産党も、旧社会党を牛耳っていた社会主義協会も、社民主義を修正主義、日和見主義として、資本主義以上に敵視していたんじゃないかなあ。

つまり、戦後日本には、信じ難いことに、日本国憲法を好しとし、これを具現化しようとする、真の護憲政党が、存在しなかったのですね。存在しないのなら、つくるほかありますまい。そうして生まれたのが「緑の党」です。

緑の党ほど日本国憲法と親和性の高い政党は、ないのではないでしょうか。生徒会レベルの民主主義が、徹底されている。実にオープンでフェアなものです。党員費1万円を払えば、貴兄も、その日から党員です。党員になれば、党公認候補の選挙権と被選挙権を得ます。入党されることをお勧めします。

もう、現行の支持率は、既存の「護憲政党」など無きに等しいのですから。伸びシロのある新政党を応援ってゆうか、身を投じる方が、断然楽しいし、やりがいがあると思いますよ。緑の党の党員となって、党の方針に関与し、共産党や社民党に共闘を呼びかけてはいかがでしょうか。

もちろん、緑の党は「反安保・脱安保」を掲げています。でなければ、党の三大方針「脱原発」「脱貧困」「反差別」は達成できませんから。組織としてはユルいけれど、考えは、ラディカルです。貴兄の好みでもあると思われますが、いかがでしょうか。
by BLOG BLUES (2013-05-13 11:56) 

yamamoto

官僚化は「組織」の宿命です.どんな政党でも初期はいいのですが,すぐ官僚化します.それとどう付き合うかが問題です.

改憲後の未来はBLOG BLUESさんのような見方は出来ません.もっと恐ろしいものを想像します.教基法改悪後の教育現場がそのモデルでしょう.

当ブログの党派性は繰り返し「共産党支持」と旗幟鮮明にしております.緑の党の結党はおおいに歓迎すべきこととは思いますが,今の政治状況では,特に九条問題に関する限り,票の分散効果が重大です.これは,今まで共産党に対してさんざん言われてきたことではありますが・・・.
次のエントリーをご覧下さい.
by yamamoto (2013-05-13 12:40) 

BLOG BLUES

こんにちは。

『「国民の良識を信頼してそこに呼びかけること」,「国民の良識をよりどころにして市民運動を起こすことと、その力で政党を動かしていくこと」』それで、生まれたのが、緑の党なんですけどね。貴兄も、その主体になりませんか。

票の分散には、今度の参院選に限っていえば、なりませんよ。緑の党は、比例区からしか出ませんし、小選挙区は「反改憲」候補を応援するスタンスですから。しかし、すべての「護憲政党」が結集したとしても、小選挙区当選は覚束ないでしょう。シビアな認識に立てば「隗よりはじめよ」しか、ありますまい。

ただ、僕もその一人ですが、今まで共産党に投票してきた有権者が、緑の党に投票するという選択は、大いにあるでしょう。でも、それは「分散」にはあたらないと思う。みんな、かどうかは知りませんが、少なくとも僕は、我慢して共産党に投票してきたのよ。これ以上の我慢は、停滞だと思う。遠回りにみえても、共産党よりも緑の党に、未来を感じる有権者は、僕も含め、少なくないのではないでしょうか。

なんたって、緑の党の最大のテーゼは「脱経済成長」ですから。「経済成長に依らなくても永続可能な共生社会」をめざす、人々の集まりなのですね。21世紀の日本国民が、世界の人々が、幸福になる途はそこに在る、と僕は信じているのですが、いかがでしょうか。革命家とは、空想家の別名ですよ。チェ・ゲバラがそう言ってるんだから、間違いない!と強調しておきます。

「世に倦む日日」は、サイテーのブロガー。僕は、創成期の「改革ファシズムを止めるブロガー同盟」に参画したのだが、これがとんでもない食わせものだった。ブログの及ぶ言論なんて、ブログシーンでしかないが、「世に倦む日日」の虚偽を徹底批判し、その影響力を左派・市民派ブログシーンから殺いだのは、「BLOG BLUES」の最大の貢献だったと思っているくらいです。

彼はね、安倍晋三の威を借りて、左派・市民派ブロガーの言論を封殺しようとした、もう一度言います、サイテーのブロガーだったのですよ。彼にね、護憲意識などないのです。あれほど言行不一致の不誠実な人間も珍しい。唾棄すべき対象です。くれぐれも惑わされることのないように。

貴兄は「国民の良識を信頼」しているのでしょ。だったら、どうして、そこに、ハリウッドの有名人の登場を期待してしまうのですか。空虚さをお感じになりませんか。もっと国民を、そして自分自身を、信頼しなくてはならない。そうでないと、貴兄の言説そのものが、口先だけのヤワなものに成り下がります。
by BLOG BLUES (2013-05-13 14:55) 

BLOG BLUES

蛇足ですが。

緑の党にいちばん近い候補、山本太郎がこの前の衆院選を戦ったとき、沢田研二が応援に駆けつけた。駅前で応援演説したんですよ。タレントだって人間なんだ。心の底から共鳴すれば、応援を買って出ますよ。人間に信頼を寄せるとは、そういうことではないでしょうか。

商品コマーシャルじゃないんだよ。事は思想信条の問題なんだ。タレントを人寄せパンダとして利用しようなんて、他者の意思を軽んずる、下司な考えでしょう。護憲精神からは、真逆にあるものです。
by BLOG BLUES (2013-05-13 15:30) 

yamamoto

コメント列が(ありがたいことに)長くなりすぎたので,続きは次のエントリーに移動します.ちょうど,BLOG BLUESさんがそのエントリー内容に言及したことでもありますので.そういうわけでここのコメント欄は閉鎖します.
by yamamoto (2013-05-13 19:08) 

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