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法遵守の活動としての,市民による法の執行としての「直接行動」 [反核・平和]

鳩山首相の今日の沖縄訪問をめぐって,ツイッター上では「直接行動」という言葉も見られます.先日提案した基地封鎖の「直接行動」とは,意味や趣が違うかも知れませんが,無関係でもないと思いますので,少し説明を追加したいと思います.

この,"Futenma 365"の案に対して,「法に触れる行為はだめ」というよくありがちなコメント書き込みがありました.私のブログの読者でない方や「ファスレーン365」についてご存知でない方は,まずほとんどこのように反応されるのだろうと思います.そのコメントへの返事として,むしろこれは法を守るための行動だという趣旨で,少し長く,分かりやすくコメントを書きました.その文章の繰り返しです.ほんの少しだけ加筆修正しています.

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先日の記事への補足です.コメント欄での批判への回答で,同欄に書いたものとほぼ同じです.
「基地阻止」から「基地閉鎖」への直接行動の拡大を
     — “Futenma 365” の提案 —


「私自身は当分は『逮捕回避』の形態での参加にな」る,と書いたことに対し,「危険な行為を他人に煽っておきながら自分は参加しない,という態度は卑怯だし説得力が有りません」という批判がありました.また,「理由が何であれ触法行為が認められる訳がありません」,「『逮捕にも何か意義が有るんだ』という危険思想はそれこそ市民の敵,平和の敵,法治国家の敵」とも書かれていました.これらにお答えします.

すぐに自分自身が直接参加・実行できないアイデアは提案すべきでないとか,卑怯という考えには賛成できません.分かりやすいように極端な例で言いますと,これだと,病床にある人は体を動かすような行動のアイデアは何も出せない,ということになってしまいます.アイデアの提出だけでも立派な貢献だと思います.問題はその中味です.

また,「逮捕のリスク」を取るか取らないかということと,勇気があるかどうか,あるいは「卑怯」かどうかが直結するわけでもありません.グリーンピースの職員のような,逮捕されても後ろ盾のある人の場合と,逮捕されたらクビになるかも知れない会社員とでは,ぜんぜん違うわけで,それぞれに合った条件で闘えばいいのです.因みに,私自身はスコットランドで「逮捕のリスク」を負う行動をし,実際に留置場を経験しました.(→ ビデオ(リンク修正))

法的問題に関してですが,これは「触法行為」ではなく,法を守る行為だと言っているのです.下位の法と上位の法が矛盾するとき,あるいは政府が違法行為をしているとき,前者では上位の法を選ぶこと,後者では違法行為をやめさせるために合理的かつ効果的な方法を選ぶこと,これが真に「法を守る」行為だと思います.不作為はむしろ違法行為を放置することになり,「法を守る」こととは正反対です.

卑近な例で言いますと,電車で痴漢行為を発見したら,犯人を逮捕し,必要によっては監禁しなければなりません(私人による現行犯逮捕).通常,逮捕監禁は違法行為ですが,より重大な違法行為をやめさせるために必要なときは,正当化されるのです.法律用語では「違法性が阻却される」とか「正当行為」と呼ばれるようです.違法行為の主体が政府であっても同様です.

政府の行為に対するこのような民間人の「取り締まり」が正当とされた裁判の例は,イギリスにはいくらでもあります.次のサイトに数例載せていますのでご覧下さい.
http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/goilsupt.html
イラク行きの戦闘機の破壊同,当ブログ記事('06年),メイタイム事件('99年),インドネシアに輸出予定だった戦闘機の破壊('96年)などです.

重要なことは,非暴力であること,それと逃げ隠れしないことです.警察官はその場ですぐに国際法などで判断出来ないわけで,人が道路を塞いでいればふつうは逮捕せざるを得ないでしょう.ですからどうしても法廷で白黒つけることが必要になってきます.
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はぐれ雲

こちらでも非暴力直接行動を呼びかけています。

by はぐれ雲 (2010-05-23 20:49) 

yamamoto

情報ありがとうございます.これまでも辺野古には全国から多くの人が行っていると思いますが,このような呼びかけがウェブに出るのは初めて見ました.
by yamamoto (2010-05-23 22:13) 

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