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原水禁世界大会の国際会議に参加しました. [反核・平和]

 (全体会での発言を末尾に追記しました.1401577.gif中程に録音とスライドを追加.)
「夏の原水禁大会でのプレゼンの宣伝です」の記事で,「聞きに来ていただければ有り難く存じます」と書いていましたが,もしこれを読んで気楽に来られた方には申し訳ないです.参加費がハンパじゃない.広島・長崎全日程の均一会費しかなくて,1万6千円.これでは個人で参加しようと思う人には敷居が高すぎます.部分参加の会費とか,団体代表と個人参加で差をつけるとか,何か考えないと・・・.これでは,その道でがんばってる「プロ」だけの集まりになってしまいます.8年前に長崎大会に参加したときは,1万円は切っていたと思うのですが・・・.

だいたいウェブに参加費のことが一切書かれていないのは全く不親切というか,一般の参加を,実は全く期待していないとしか思えません.これは原水禁も同じ.これでは全く閉鎖的です.

昼ちょっと前に到着したので,午前中の全体集会の話は聞かず,午後の分科会(第一分科会*:NPT再検討会議で,グローバルな行動と連帯)に参加しました.意外なことに,プログラムらしきものも,用意された根回し発言もなく,冒頭からいきなり議長が「発言したい人は挙手を」とフロアに呼びかける,全く「フロア主役」のセッションです.プログラムの冊子にも,「発言通告を基本とする議事運営は,会議の討論が硬直したものとなりがちであるために基本的に廃止」と書かれています.

だれでもそうだと思いますが,私も,何人か発言して会場が少しウオームアップしたころに挙手しようかと思っていたのですが,すぐには誰も手を上げないので,議長が,「発言の申し込みがある」と冒頭に私を指名しました.それで「冒頭発言」になってしまいました.

7分ということで,やや焦りながら,「パワポ」(プロジェクターのことを最近はこう言いますね)を使いながらトライデント・プラウシェアズのこと,ファスレーン365での日本チームの活動,非核のスコットランド政府のことなどを話しました.(分かりやすかったどうか不安でしたが,終わって会場を出るときに,一人の女性が「とても分かりやすかった」と言ってくれたので,なんとかなったようです.)
1401577.gif自分の(留守の)座席で録音したもので,あまり聴きやすくはありませんが,MP3ファイルです.
パワポ(スライド)はこちら.8.3MB配布物1(レジュメ)配布物2(本の一部,英文)

それに続いて,主に海外代表から,いろんな団体や異なる分野の運動とも連携するにはどうするか,などの発言.日本人の出席者(ほとんど各地の原水協組織から)は,それぞれの活動や経験の報告が多く(私の話もその類ですが),テーマである2010年のNPT再検討会議への戦略を練るという方向になかなか直接つながらないので,議長が再三にわたって,それに結びつく発言を,と要請していました.

NPTに向けての新しい署名を始めることが提案されていますが,その内容,文案にも議論が及びます.私は,署名も重要だが,それだけやっていればいいというような錯覚に陥る危険もあるので,残された時間でどうしたら本当に核廃絶ができるのか,あらゆる幅広い運動のスペクトルを考えるべきた,というようなことを言いました.

成功した事例,例えば地雷廃絶運動などに学ぶ必要があるのでは,という発言,署名を呼びかけるにしても,その呼びかけの範囲が狭すぎたこともある,という苦言なども.私はまた手を挙げて,海外にも幅広く呼びかけると言うのなら,当然国内もそうもそうでなければならない.過去の経緯はともかく,現実に国内の大きな反核団体として「原水禁」というのがあるのだから,これにも当然呼びかけるべきだ.まるで存在しないかのような(お互い?)振る舞いをしているのはおかしい,などと発言しました.

休憩をはさみながらも,4時間というのは長丁場で,最後の方は皆だいぶくたびれたのか,なかなかフロアから手が上がらなくなってきました.予定より15分ほど早い,5時45分頃に終了.明日午前中の全体会でのまとめに期待することにします.

会場で配布した日本語のレジュメと,海外参加者向けの英語のプリントです.後者は,単に本の一部をコピーしただけの急ごしらえのものです.

ps 同時通訳のレベルはものすごく高かったです.完璧.

* 他の分科会は,第二が「反核平和の草の根行動の交流と連帯」,第三が「広島・長崎の被爆者,核被害の声とたたかいを世界へ」.

(4日朝追記)一人おいてすぐ隣の席に座っていたのは,婦人国際平和自由連盟(WILPF)のフェリシティー・ヒルさんと,イギリス最大の反核組織CNDの副会長ブルース・ケントさん.ブルースさんは「アンジーを知っているか,とてもすごい女性だ」と話しかけて来たので,もちろん知っている,レベッカ・ジョンソンもあさって広島に来る,と応答.フェリシティーさんは,私が机の上に置いていた(左のバナーでも宣伝している)ファスレーン365の本を見つけて,自分の席に持って行って見ていました.返しに来たとき,「これは買わなくっちゃ」と言っていました.彼女はレベッカ・ジョンソンが広島に来ることを知っていました.

1401577.gif(8/14追記)翌4日午前中の全体会は,各分科会の議長がまとめを報告し,新しい署名の文案や国際会議の宣言文を検討するというものでした.(採択された国際会議宣言は次にあります.)
http://www.antiatom.org/GSKY/jp/NDPM/WC/08wc/080810_dec-riso.html
私の参加した分科会の議長まとめが,原水協と原水禁の問題に全く触れていなかったので,会議の終わり間際になって1分弱で発言をしました.録音をもとに以下に再現します.

(所属,氏名のあと)
「署名のやり方についてひとこと申し上げたいと思います.海外に幅広く呼びかけるということですから,当然国内でも幅広くということにしたいと思います.現実問題として,われわれの集会の他に原水禁という大きな反核のグループがあります.過去の経緯はどうであれ,原水禁は現在大きく国内の反核運動を担っており,これにも当然呼びかけるべきだろうと思います.これは,単に内容証明郵便で送るというものではなくて,誠意を持って呼びかけたらどうかと思います.
 それからもう一つ.(原水協と原水禁の双方が)互いに相手が存在しないかのような扱いをしておりますけれども,やはりきちんと相手を認識する,たとえば,無理かも知れませんが,明日からの原水禁大会にメッセージを送るとか,そういうことも考えていただけたらと思います.」

散会して出口に向かっていたら,座席に座ったままのある年配の方から,「『禁』のことにも触れてくれてありがとう」と声をかけられました.

関連記事:原水禁大会参加記 -- その2
夏の原水禁大会でのプレゼンの宣伝です

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ひとみ

分担金(参加費)は、内部でも話しにはなっているみたいです。長崎だけだと、7千円です。高校生など、学生は低くおさえられているみたいですが。
ずいぶん前に、年間の運営費も参加費に含まれている、というようなことを聞いたことがあるのですが、、、、
これからみんなで知恵を出せば、いい方法が出ることを期待して。
いつもTBありがとうございます。
by ひとみ (2008-08-04 14:22) 

大津留公彦

トラックバックありがとうございました。

原水禁世界大会の国際会議でのご活躍の様子が目に浮かぶようです。
運動に長年かかわっている人には刺激的な発言だったことでしょう。

特に
>海外にも幅広く呼びかけると言うのなら,当然国内もそうもそうでなければならない.過去の経緯はともかく,現実に国内の大きな反核団体として「原水禁」というのがあるのだから,これにも当然呼びかけるべきだ.まるで存在しないかのような(お互い?)振る舞いをしているのはおかしい,などと発言しました.

というのは山本さんでないとできない発言だと思います。
ファスレーン365の実績があるので山本さんの発言は無視できないですね。
何せイギリスで逮捕された日本人の平和運動家はまずいないでしょうから・・

by 大津留公彦 (2008-08-04 16:03) 

ちえん

私も一泊二日で参加しました。
諸費用こみで7万円くらいかかりました。
中央分担金の1万二千円、県分担金の1万二千円、被爆者へのカンパに三千円、宿泊代が9000円、新幹線代が往復で二万8千円、プラス飲食費で6千円くらい。
カンパは中央の専従者のために大切なものなのでしょう。

 個人にも呼びかけましたが、原水禁運動にはじめて参加する人にとってやはりしきいが高いことはあると思います。意識の高い人なら、参加しないかもしれませんし、意識が低いなら、参加しないでしょう。

 行っている行動はとてもよいもので、行った意義があったと思いました。
by ちえん (2008-08-11 01:49) 

あんくるトム

平和行進、イラク帰還兵アッシュ君の話しなど、少しずつ少しずつ、平和勢力が前進している気がしています。
これをホンモノにしたいものです。
by あんくるトム (2008-08-11 23:24) 

明子

 トラックバック、ありがとうございます。
 
 参加費のことは、たしかに頭の痛い問題です。「団体でカンパを集めて代表をおくる」というのが前提となったスタイルだから、個人で参加するという発想があまりなかったかもしれません。
 街頭や戸別訪問で代表派遣カンパをおこなえば、そこで対話することで運動になるということだと思うのですが、時間が不足したり、高齢化したり、などの状況で「手出し」なんてことになると、やはり矛盾が出ますね。
 もっと知恵を出して、多くの人が参加しやすいようにできたら・・・と思います。
 国際フォーラムには、去年の長崎のときに参加しました。特別の人たちだけでなく、ふつうに地域で頑張っている人と外国の政府代表などが同じ場で、フロアからも発言し討論できるという雰囲気がとても嬉しくて、エキサイティングだったのを思い出しました。

 こういう集会に参加すると、とても眼が開けます。
by 明子 (2008-08-14 00:11) 

yamamoto

インターネットなどを通じて,今までに考えられないほどの幅広い人たちの参加の可能性が広がっているのですから,組織の既存のつながりだけに重点を置いた今までの集会の企画のしかたは変えていくべきだと思います.
ひとみさん,大津留さん,ちえんさん,あんくるトムさん,明子さん,コメントありがとうございました.
国際会議の全体会での私の短い発言を記事末尾に追記しました.
by yamamoto (2008-08-14 11:34) 

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