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正月に観た映画3本 [メディア・出版・アート]

遅ればせながら,正月に見た映画の感想を書き留めておきます.
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まず, 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」.元作「ALWAYS ・三丁目の夕日」の感想を2年前に書いたが,やはり泣かせるのは,見えないリングという「至高のプレゼント」のリフレインのシーンだ.でもこれは第一作を見ていない人にはピンと来ないだろう.詐欺師が登場するが,これを見破ったのは,一緒に見た家族の中では,口惜しいことに私が一番遅かった.
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次いで,岩波ホールで封切りしていた 「サラエボの花」.ボスニア紛争の悲劇を描いたもので,雑誌か何かで見た,サッカー日本代表の元監督オシム氏の「是非観てほしい」という言葉が耳に残っていた.作品そのものは良くできていると思うが,一番の感想は,作品自体よりも,どうしてこんな作品の「素材」を人間は繰り返し繰り返し作り続けるのかという,絶望に近い感慨だった.戦争の悲惨を描くための素材は,第二次大戦だけでも十分過ぎるほどあるのに.

戦争における性暴力がこの映画の中心にあるが,数年前に公開されたイラク映画 「亀も空を飛ぶ」も同様の悲劇を扱ったものだった(こちらに感想記事).「サラエボの花」が曲がりなりにもハッピーエンドなのに対し,「亀・・」の方は救いのない結末だった.

封切り上映で,しかも全国でこの一館だけなので,混み合うのを予想して20分前ぐらいに行った.切符売り場には数名の行列があった.ほとんどが年配者で,「シルバー」と言って切符を買っている.館内に入ると座席は8割方埋まっていて,上映時には完全に満席になった.
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最後に, 「アース」.なるほど映像は迫力があるし,良くできているが,自然を描いたこの種の映像というのは普段テレビで見慣れているので,劇場映画としては筋立て,とらえ方などに,さらにプラスアルファを期待する.しかし残念ながらそれはなく,むしろ陳腐で平板だった.映画の最後で,ある一頭のホッキョクグマが,乗って狩りをする氷が溶けていって困るシーンを,地球温暖化問題に直結させてしまうのは,こじつけの見本のようなものだ.私は地球温暖化懐疑論者ではないのだが,懐疑論者の“洗脳説”にむしろ材料を提供しかねない.

テレビで見慣れた映像と言ったが,もちろん迫力は間違いなく一桁は上だ.「プラスアルファ」を期待しなければ十分楽しめると思う.


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ありえ

映画のご感想が読めて、嬉しいです。
また楽しみにしております。
by ありえ (2008-01-29 02:00) 

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