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「世界」11月号の小沢氏と田岡氏の文章 [社会]

問題の,「世界」11月号の小沢氏の文章を読んだ.「私が」政権を取ったら,「ISAFへの参加を実現したい」との主張で注目を浴びたものだ.ISAFとは,2001年10月の米英主導のアフガニスタン攻撃の後,同国に駐留し戦闘を続けている多国籍軍部隊のことだ.米英による攻撃を追認,合理化した12月20日の安保理決議1386を根拠にしている.International Security Assistance Forceの略.

学者の論文ではないとは言え,「世界」に発表するからにはなにがしかの論理的展開が述べられているかと期待したが,「国連の活動は国家主権を超える」との断定を述べ,単純にその自説を根拠にしているだけだ.しかし残念ながら国連は法的にも実態的にも「世界連邦」ではない*.小沢氏は権威付けに横田喜三郎の著書を持ち出しているが,具体的にどの本かも書かれていない.

むしろ,そのすぐ次の頁から始まる「AERA」副編集長も勤めた田岡俊次氏の文章が痛快だ.タイトルは,「『給油をやめると日米同盟は危うい』は本当か?」.いくつか決め文句をピックアップする.(太字は引用者)

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アメリカなど大統領制の民主国では政府が外国と合意したことが議会で認められないことはよくある.・・(中略)・・参議院だけの与野党逆転で,日本議会も今回珍しく“アメリカなみ”になったにすぎない.」
米国人から「日本は現金自動引出機」と言われ,常に言うことを聞くと思われているのは極めて不利だ.「お布施をしないと地獄に落ちる」という心理から脱却し,ときには米国の意向に従わないこともある例を示して「普通の国」になる好機かもしれない.
日本では給油継続で「米国などに貸しを作れる」という人も少なくないが,「国際政治では感謝は無意味な単語」と言われる通りで,・・・・
米国の意に沿った政策が取れなければ政権担当能力がない,と言うのはまるで占領中にGHQの顔色をうかがっていた日本人のようで,まさに「戦後レジーム」の刷り込みの深さを示す発想だ.

* むしろその萌芽が見られるのはICC(国際刑事裁判所)かも知れない.


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