１２年前の「週刊プレイボーイ」記事--原発銀座で悪性リンパ腫多発

[10月11日追記]著作権問題の担当者が長期不在とのことで，転載の可否が分かるのは16日以後になります．

お玉おばさんが「週刊プレイボーイ」の憲法九条の記事を取り上げているが，それで同誌の昔の記事を思い出した．94年11月29日号と12月6日号の連載記事である．福井県の敦賀原発銀座１０キロ圏の住民を全戸聞き取り調査して，白血病と悪性リンパ腫の過去２４年間の発生数を報告したものである．その結果，白血病の発生が３，死亡が３，悪性リンパ腫の発生が５で死亡が３（つまり２名が当時闘病中）という数字を得ている．このほか「あの家では白血病患者が出た」という情報が寄せられたが，その家を訪ねて直接白血病だったと確認できたものの，取材を拒否され，カウントに入れられなかったというような例もいくつかあるとのことである．

この数を全国平均や福井県の平均発生数と比較して，白血病は全国平均より少ないものの，悪性リンパ腫は明らかに発生率が高いというのである．

この調査の最大の難点として記事自身が述べているのは，調査区域内の正確な人口，年齢階級別人口が分からず，「新聞社などが行う世論調査にならい」，一戸につき４名の家族がいるとして，世帯数（1,141戸）から推測したことである．これらのデータは地元の行政や保健所の協力なしには得られないが，それを拒否されたとのことである．

この種の週刊誌の調査としてはたいへん立派なもので，専門の学者による本格的な疫学調査を促すのに十分なものだと当時思ったものだ．敦賀原発と言えば「美浜の会」がウオッチしているはずなので，“美浜の会”+“週刊プレイボーイ”でネット検索してみたがめぼしいものが見当たらない．

「週刊プレイボーイ」が置いてある図書館は少ないし，さらに１０年以上前のバックナンバーを保存しているのは国会図書館ぐらいだろう．しかし今はネットという手段がある．気になってこの二冊は保存していたので，休み明けにも同誌に全部を転載可能かどうか聞いてみることにする．もし許可が出れば全部スキャンして公開します．
→公開しています．
http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2006-10-21


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